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日が昇り始めた頃、私は外の光が気になり目が覚めた。
「朝か……」
時計を見ると6時ちょうど。
私はユウが使っている洗顔料などを借りて顔を洗う。
「ユウが使ってる化粧品は……あった。」
ユウが持っている化粧品を手に取り私は鏡に向かって化粧を始めた。
もちろんすでに昨日の晩、ユウからの使用許可を得ている。
でもまあ、化粧をするといっても人並み程度だ。
肌を整え、眉毛を書き、アイシャドウやマスカラ、アイラインを軽くひき、リップを塗る。
ユウは整える程度にしか化粧をしないため化粧品は少ないから少し物足りない気もするが、しないよりはマシだろう。
「よし…」
寝癖をなおすために髪をとかし、身だしなみを整えていると玄関からノックが聞こえた。
おそらく制服を届けにきてくれたのだろう。
私は玄関の扉を開いた。
「おはようございますAさん。」
「おはようございます、学園長。」
扉を開けると学園長が立っており、片手には制服がいれられているであろう箱を持っていた。
「こちら制服になります。サイズはユウさんより少し大きめでお作りしてます。私、優しいので。」
そういうと学園長はドヤ顔をしてこちらを見る。
確かに私はユウより少し身長が高いためその配慮はありがたい。
「一応スカートとズボン、どちらもご用意したので好きな方を着用してください。」
「わかりました。何から何まで親切にありがとうございます。」
「私、優しいのでそれくらい朝飯前ですよ。」
再び学園長はドヤッと効果音がつくような表情をし、軽くお辞儀をして帰っていった。
私は部屋に戻り時計を見る。
6時45分。
ユウが寝ているベッドから布団を剥ぎ、ユウとグリムを起こす。
「ユウ、朝よ。起きなさい。」
「ん〜、あとちょっとだけ…」
「駄目よ。ただでさえあなたは朝が弱くて用意が遅いんだから。ほら、グリムも早く起きなさい。」
「オレ様まだ眠いんだぞ…」
2人は眠たそうな顔をしながら渋々起き上がる。
毎日こうなのだろうか。これは骨が折れる。
明日からは私が起きる時間と同じ時間に起こそうかしら。
そう思いながら私は2人を見つめ、ため息をはいた。
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