ねぇ、聞いてくれますか？ (ページ6)

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purusu　urutora３ページ6

プシゥシューーーーーー！！

電車の止まる音。

何時間経ったんやろ？
気が遠くなるとあかんから考えやんけど意外とあっという間だったな、矛盾？

とりあえず終電ではないのでダラダラしてる暇はない、早く降りないと。

少し足を走らせて私はドアを出て、

ーーーーー女子トイレ。

黒のセーラー服、赤のリボン。

全部私服ですけど良いですよね、可愛いですし。

因みにこれが私の素です。
普段は砕けた口調ですけどね。

ローファーの踵を少しトントンッ、と押し込んだ後トイレを出た。

出ようと、した。

『…………鏡。』

目の前には黒のセーラー服に身を包んだ紺色髪の少女。

もれなく私に決まっている。

何故立ち止まったんだろう？

口を
開けば偽り、
口を
閉ざせば不安と疑問。

今更でしつこいかも知れないですけど可笑しいですね、

『ーーーーー心も真っ黒です。』

走ってトイレを出た。

息が荒い、今更ですっ、よ…ね。

『はぁはっ、ふぅ、はっ。』

黒を選んだのには訳がある。

ーーーーー自分に似合う色だと思ったから、だったと思う。

髪の色、紺色でもなく。

瞳の色、桃色でもなく。

〃『黒』〃

〃「治せ！！その個性を持って生まれたなら、分かるか！？私の娘として～～～～！！！」〃

〃「…………お前は黒に生きる闇の花。分かったか。『あの女』とは違う世界の子なんだ。」〃

駅のホームで息を荒くし、肩で呼吸する中学生。

彼女は過去に固執しており、救出を心の底から求めている。溢れ出てくるのは疑問ばかり、極め付きには何故呼吸をし、この世界に居るのかさえ分からない。

死は、ーーーーー幸福。

そんな考えを持っている少女は、本当は誰かに理解されたいだけなのに、ひとりぼっちだと思っている少女の周りには沢山の暖かい人達が居るのに。

…………少女は鈍感で、不器用なんだろう。

けど大丈夫、

「きゃ～！！ホークス！？なんで駅にいると！？」
「えー！彼女！？やめて～！！」

きっと出会う、

「あはは、どうでしょう？

でもホントにただの待ち合わせだよ、あ。ごめんね、通してくれる？」

もうすぐ、走って、

『貴方が、ホークスさん、ですか…………？』

「うん笑

初めまして、ホークスって言います。一応今日から君の師匠的なものになるらしいのでよろしく～。」

ほら、出会えた。

運命は、動き出す。