狼 ページ1
其れはまだ俺が《羊》と呼ばれていた時の事。
否、正確には《羊》から
マフィアへの道を
裏切るかもしれない、俺が《羊》の奴等を守るのは俺の気分次第。そんな噂が太宰の思惑によって広まったある日、俺は元仲間に刺された
周りは銃弾の雨
絶望と悲しみの中逃げて崖下へと。
其の場が後に、俺にとって思い出の場所となる
.
『悔やんでも仕方ない。其れを種にしなきゃ』
昔何処かでそんな言葉を聞いた。
在れは何時だッたか?
『君の力は不思議だね』
幼子の小さな興味と好奇の目。
俺の力はそんな綺麗なモンじゃねェよ
『すき。だいすき!』
俺よりも幾分小さな体で必死にしがみつく
離れない様に、離さない様に。
──────何時も手前だけは俺の味方なんだ
_________.*
岩を掴み、体を持ち上げる。
まばらに木立が林立する斜面に出た
濡れた体を引きずるように、木立のあいまを歩いていく。
ふと───前方に影が差した。
小柄な人物
回り込まれたかと俺は厳しい顔をしたが違った
「やァ中也。大変そうだね。手を貸そうか?」
太宰だった。
『中也!』
其の隣にはAも居る
そうだな、そこから先はまた今度だ。
だが、少しだけ教えてやるか
あの時、彼奴…顔を涙で濡らしたAは傷付き動く事すらままならない俺に不細工な顔で言った。
『 痛いの痛いの飛んで行け 』
と。
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作者名:抹茶 | 作成日時:2018年3月11日 8時