75 これからも ページ25
「おい。起きろ。遅刻する」
「は……」
柊太に起こされ、機嫌悪く布団をはいだ。
昨日は全く眠れなかったんだ。
テストの結果が気になりすぎて。
勉強もめっちゃくちゃ頑張ってたから、合格したいけど。
ガラララ。
音を最小限に抑えながら、扉を開けた。
「おはよーございまーす」
小さく消え入りそうな声で、静かに教室に入る。
もう、遅刻だ。
完全に遅刻だ。
「はーい、では合格発表をしまーすっ」
ササササッ。
忍者のような動きで、素早く席についた。
そして、何事もなかったかのように、とぼけた顔をする。
先生も気づいてないようで、私は安堵のため息をついた。
「えっと、なんとね! みーんな合格なの! 」
点、点、点。シーーーーーーン。
長ーい沈黙が流れた。
いや、あっさり過ぎて実感わかない。
みんな、みんな合格したんですか?
「みんなー? 聞いてる? ご・う・か・く! よ? 」
「合、格……」
「マジで?! 全員? 」
2回目の先生の発言によって、生徒たちはやっと我に返った。
私もその中の一人で。
――全員、合格?!
本気で言ってるんですか!?
じゃ、じゃあ、私たち、全員アイドル続けられるんだね。
アイドルとして、生活できるんだね?!
「やったー!! 」
私はその場で小さくガッツポーズをして見せた。
やっばい! 良かった。本当に良かったよ。
麗ちゃんとカケルンも、合格したかな?
いや。
したよね!
「……良かった」
そう言って、誰かが微笑んだ。
声の方を向かなくとも、
誰だなんて、そんなの……――決まってるじゃん。
「柊太! 」
そう言って振り返ると、机の下で、優しく私の手を握ってきた。
――キュン。
確かに、胸が強く締め付けられた。
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流華 - ネクロさん» 感想ありがとうございます!!久々にうらつくを開いたらコメントあって嬉しいです涙 (2021年6月27日 20時) (レス) id: c141522df8 (このIDを非表示/違反報告)
ネクロ - 今1を読み終わった所です!2が楽しみなので、早速読んできます! (2021年1月2日 20時) (レス) id: acc1702ca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 x他1人 | 作成日時:2014年3月23日 22時