64 そこまで? ページ14
言葉を発したかと思うと、私を突き飛ばして、どこかへと行ってしまった。
――柊太君のこと、何にも知らない。
そんな人と関わりたくないよね……。
――なら、知ってみれば、いいかな?
少しでも、力になりたいな。
こんな日々が続くのなら……――。
そう思いながら、一人扉を見つめた。
けれど、周りはこんなことをすれば、批判が広まるに決まっていて。
『…うわっ。柊太君、女の子のこと』
『Aっ! 大丈夫? やっぱり、あいつとは関わらない方が良いんだよ。
なんか、感じも悪いし…』
女の子たちも、裏で薄々と悪口を口に零すようになっていた。
もちろん、”ただの噂だ”と言う人もいて、
全員がそうというわけではないのだけれど。
『…うん…』
納得いかないまま、頷くことしか出来なかった。
『にしてもさ、なんでAはそこまでするの?
あいつにさー? 』
『…え? 』
――そこまで…?
どういうことだろう? 私、そこまでっていうほどのことしてないと思うんだ。
他と変わりなく、普通に接してるつもりなのに。
周りの雰囲気からして、私が特別のことをしている”ように”
見えてしまうのかな。
――錯覚。
なんだか、怖いよ……。
『…そこまで、って言うほどのこと、してないと思うけど…』
もし柊太君と同じ場所に立たされたら……。
この恐怖ももちろんあった。
けど、一人で耐えてるのはきっと想像を絶するくらいに怖いよね。
なら、せめて私も……こんな考えも頭を回っていた。
これが、この考え方が”そこまで”って言う意味なのかな。
……なら、それならば、
――皆だって、なぜ、”そこまで”する必要あるの…?
『おーい! A〜! 」
『んっ?!』
『ははっ。ったく、ぼんやりしちゃってさ。早速”魔”がうつっちゃったのかー』
『魔っ…? 』
『私たち、Aちゃんになんかあったら嫌だよ〜? 』
魔…?
何、それ……。
それからというものの、噂は絶えることなく、
私はそれに対抗するかのように、暇さえあれば、柊太の傍に行った。
友達。
柊太からすれば、勝手で、迷惑な解釈だったかもしれないけど、
私は十分に友達、そう思って、近くにいた。
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流華 - ネクロさん» 感想ありがとうございます!!久々にうらつくを開いたらコメントあって嬉しいです涙 (2021年6月27日 20時) (レス) id: c141522df8 (このIDを非表示/違反報告)
ネクロ - 今1を読み終わった所です!2が楽しみなので、早速読んできます! (2021年1月2日 20時) (レス) id: acc1702ca8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作者 x他1人 | 作成日時:2014年3月23日 22時