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「全く、嫌な奴だよな。だから友達いないんだよ。」
言わずもがな、ロンは物語の付箋通りその言葉を言ってのけてハーマイオニーが泣きながら突き飛ばしていった。
「(そんな顔するなら言わなきゃいいのに。) はぁ…」
「全くな。」
ため息を吐いた私の横でレイが頷いたのをロンが勢いよく振り返った。
「だろー！レイもそう思うよなぁ？！」
「ちげーよ、バカ。お前に呆れてんだよ、女泣かせてどうすんだタコ。」
「!？？？」
「(口悪ぅぅ。)」
そして中性的な美人がガン飛ばして言うもんだから迫力が凄い。周りが縮こまってるのが目に見えて分かる。
「あのね、ロン。アンタも本当は分かってんでしょ？私とレイはハーマイオニーのこと友達として大事に思ってるよ。確かに日頃から一緒にいるってことはないけど、」
「ほら！「ちゃんと話聞いて。日頃一緒にいない＝友人じゃないなんてどこの公式？私とハーマイオニーが図書館行ったり談話室で意見交換したりするの、知ってるでしょ？」……。」
そこまで言うとぐっと黙り込んで睨むロンの高い頭を柔らかく撫でた。
わさわさ
「ハーマイオニーはね、不器用なだけだよ。それと、物凄く勉強熱心。好きも嫌いも個人の自由だし悪く言わないけどさ、自分の得た知識を惜しみなく教えてくれてるんだよ？ハーマイオニーの言い方は悪かったかもしれない、けど…ロンなら、分かるよね？」
「………う〜〜ん。」
頭を撫でられる最中悩ましげに眉を寄せるロンが小さくため息を吐いて踵を返した。
「何やあれ。」
「大丈夫大丈夫。あの何とも理解したけど納得してないような顔見れば何とか。」
「それ、大丈夫って言うんか？」
慌ててついていくハリーが戸惑いがちに手を振ったので2人顔を見合わせて手を振り返した。
「じゃ、レイ。これよろしく！」
「何で俺やねん。」
「レイなら何とでもなるでしょ？」
何とでも好きやなぁ〜、今日何度目かのそれを聞いて面倒くさそうに眉根を寄せたレイが教科書諸々を受け取った。
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作者名：イト | 作成日時：2018年3月8日 23時
