平凡な女子高生と2人の同級生。 ページ9
「弱ぇ奴に興味はねーよ」
「ひっ!? ……って、ここ………
ストリートバスケってやつ……? 漫画とかでたまに出てくるけど、ホントにあるんだ……
入口のとこに誰か……?」
前方から聞こえて来た声に身を固まらせるが、その時すぐ側に設置されているバスケコートに気付いた。
木の側に寄って向こうからわからないようにして、再び目を向ける。
「あれって黒子、君と……かがみ君、だっけ」
今日顔を合わせた二人の同級生が何やら深刻そうな顔で話している。
「オマエ、バスケやめた方がいいよ。
努力だのなんだのどんな綺麗事言っても、世の中に才能ってのは厳然として“ある”。
オマエにバスケの才能はねぇ」
「それは嫌です」
「……!?」
「ぶふぉっ……すばやく容赦ない返答……!」
ばっさり切った黒子君とはっきり返され驚く火神君を見ながら、小さく笑う。
「まずボクバスケ好きなんで。
それから、見解の相違です。ボクは誰が強いとかどうでもいいです」
「なんだと…」
「ボクは君とは違う」
自分を見る火神君から視線を外し、少し前方の道を見据える黒子君。
妙に明るく周囲を照らす、二人の上にある街灯。
ここだけが世界から切り離されたように、静かだった。
「ボクは、影だ」
**
「っ、ふぁ〜。
早く来すぎたかなー……」
翌日。仮入部のため新入生は朝練はなく、真っ直ぐ自分の教室に向かった。
案の定誰もおらず、やることもないので大人しく席に着く。
「おはようございます、小野さん」
「へ……うわぁあっ!?」
思わず座ったまま椅子ごと後ずさった。
椅子の足と床がこすれる音と自身の叫び声が静かな校舎に響く。
それを見て「大丈夫ですか」と声をかけてくる、いつの間にか隣の席にいた黒子君。
「ぃっ、なっ、ぁっ、いつからいた!?」
「最初からいました。小野さんが気づかなかっただけです」
「うっそ……」
「ホントです」
テンパってるのに対し冷静な彼を見て落ち着きはしたが、「こいつやっぱ幽霊とか?」という考えまで出てきてしまう。
そんな考えを頭から振り払い、おずおずと口を開いた。
「同じクラスだったの……?
ていうか、名前もう覚えて……」
平凡な女子高生とシックスマンの初会話。→←平凡な女子高生の帰り道。
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彩夏(プロフ) - 更新とても楽しみにしていました!続編でも頑張ってくださいね! (2017年6月7日 22時) (レス) id: a1d1edfed6 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉〔刹叉〕(プロフ) - 黒バスの映画で号泣しちゃいました……(´;ω;`)これからも応援しています!頑張ってください!(小説書くのってむずかしいですね……) (2017年6月7日 20時) (レス) id: 0f137dda1a (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 私もアニマックスで黒バス見ましたーやっぱり最高ですね! (2017年5月24日 18時) (レス) id: 54580b9dce (このIDを非表示/違反報告)
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