平凡な女子高生が戸惑う。 ページ46
助けてもらったのにいきなり振り払うのも、と手を取られたまま声をかけるが、その人物はまだ私を褒めるような言葉を並べる。
喜ぶべきなのかは分からないが、さっきの今でこの状況。とてもじゃないが、喜ぶのは無理。
「可憐なお嬢さん、後日俺とデートでも――」
「森山ァァァアア!!」
――ドガッ!
「ぐはっ!」
目の前の人物に華麗な両足ドロップキックが決まった。
決めたのは、さっきの怖いイケメンさん。
リアルで両足でキック入れる人っているんですね。絶対無理だと思ってたのに。
つくづく思うが人間ってすごい(遠い目)
「アホかおめぇは!! ナンパされてるの助けたのに更にテメェがナンパしてどうすんだよ!?
他校の後輩マネ怯えさせてんじゃねぇ!!」
どうやらあたしがどうしたらいいのか分からず固まっていたのを、怯えていると勘違いしたらしい。
そんな怒鳴る彼に蹴られた森山さんは起き上がって「失礼な」と反論する。
「オレはさっきの奴らのような目的ではないぞ。至って真剣に彼女を誘っているつもりだ」
「どっちにしろタチ悪ィっつの!」
「……(どうしよう、これ。収拾つかなくなり始めてるような……)」
「あ、小野さん。こいつはうちのキャプテンな」
「は、はぁ………(って、この人もしかして……)。
あ。さっきは、助けてくれてありがとうございました」
頭を下げて上げれば、さっきとは変わってその人は顔を真っ赤にして「あ……」や「う……」などと声を漏らした後、「お、おう……」と頷いた。
「聞いてたかもしれないですけど、誠凛マネージャーの小野Aです。
よろしくお願いします」
「………………」
静かに頷く。目も合わせてくれず顔も合わせてもらえないのだが、もしかして何か失礼なことをしてしまっただろうか。
そんなあたしを見兼ねたのか、森山さんは「あー……」と口を開く。
「大丈夫だよ小野さん。君が失礼なことしたとかじゃないから。
こいつは女子が苦手なんだよ。
…………ほら、小野さんが自己紹介してくれたんだし、こっちもちゃんと返すのが礼儀だろ」
「……うっせー、分かってるっつの」
「その、名前、なんですけど……もしかして、笠松幸男さんですか?」
「あ? ……オレのこと、知ってんのか?」
「中学のときバスケ部の同級生が、全国屈指の名PGと、ものすごく興奮気味に話していて、それで少し興味があって調べたので」
「そ、そうか……なら、いいかもしれねぇが………主将の笠松幸男だ」
平凡な女子高生のあとがき。→←平凡な女子高生がナンパから助けられる。
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彩夏(プロフ) - 更新とても楽しみにしていました!続編でも頑張ってくださいね! (2017年6月7日 22時) (レス) id: a1d1edfed6 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉〔刹叉〕(プロフ) - 黒バスの映画で号泣しちゃいました……(´;ω;`)これからも応援しています!頑張ってください!(小説書くのってむずかしいですね……) (2017年6月7日 20時) (レス) id: 0f137dda1a (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 私もアニマックスで黒バス見ましたーやっぱり最高ですね! (2017年5月24日 18時) (レス) id: 54580b9dce (このIDを非表示/違反報告)
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