平凡な女子高生のモデルな彼の第一印象。 ページ39
「機嫌は直りましたか? 小野さん」
「だから、別に機嫌は……」
悪くない、と続けようとしたが、黒子の無言の視線に口を閉じた。
黄瀬が来たり練習試合が決定したりと色々あったが、部活は無事終了し、黒子と共に帰路についた。
ちなみに部活後友人から聞いたが、黄瀬は女子達にサインをせがまれていたところ急遽電話が入り、「仕事があるから」と言って逃げるように誠凛を立ち去ったらしい。
だったら来んなよチャラ男が。つーかあの野郎モデル以前に学生だろうが。大人しく部活で練習してろや。
「はぁー」
「大きなため息ですね。黄瀬君のことですか?」
「まぁ、ね…………」
「すみません。悪い人ではないんです。ただその、自分の感情に素直というか、調子がいいというか……」
「黒子が謝ることじゃないっしょー? あたしがムカついてんのはあいつだし」
今思い出しただけでも腹立つわぁ……どうにかして吠え面かかせらんないかな。
相手に対して礼儀わきまえないし、初対面だろうがおかまいなしだし、なんかチャラいし…………それに、何より――
「小野さんは、黄瀬君が嫌いですか?」
今日初めて目にした黄瀬の印象(ほぼ悪い部分)を心の中で挙げひとりごちていると、さっきの「ムカついた」という言葉からか、黒子にそう問われた。
聞かれて、うーむと唸る。
「嫌いっていうかなぁ……………まだよく知りもしないし、そういうわけじゃないかも。
けど第一印象はやっぱよくないわ。遠慮も礼儀もないし、なんかチャラいし……明るい人は嫌いじゃないんだけどねー。それに……」
「? なんですか?」
「ああ、いや…………あたしが勝手にそう勘違いしてるだけかもしれないんだけど…………目が荒んでる? みたいな。
なんていうかなぁ、その…………なんか、全部に冷めた目っていうか、諦めた目をしてるっていうか、前のあたしと似てる感じしたんだよね。なんとなく。
まっ、でもやっぱうちをバカにされたのはムカつくから、次の練習試合で見返したいかな。
だから勝とうね、絶対。勝って、黒子が選んだ場所が間違ってないってこと、教えてやれ」
そう言えば、黒子は「はい」と笑った。
そしてそんな彼に「そういえば」ともう一つ疑問をぶつける。
「黒子、あんた……黄瀬となんかあったわけ? 中学時代」
平凡な女子高生がシックスマンの頭を撫でる。→←平凡な女子高生が先輩に宥められる。
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彩夏(プロフ) - 更新とても楽しみにしていました!続編でも頑張ってくださいね! (2017年6月7日 22時) (レス) id: a1d1edfed6 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉〔刹叉〕(プロフ) - 黒バスの映画で号泣しちゃいました……(´;ω;`)これからも応援しています!頑張ってください!(小説書くのってむずかしいですね……) (2017年6月7日 20時) (レス) id: 0f137dda1a (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 私もアニマックスで黒バス見ましたーやっぱり最高ですね! (2017年5月24日 18時) (レス) id: 54580b9dce (このIDを非表示/違反報告)
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