バスケット部の先輩達の悩みと頼み。 ページ23
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「…………なぁ、黒子。なんで俺らこんなことになってんだ?」
「……さぁ」
「頼むって二人共! 聞きだすのはおまえ達が一番適任なんだよ!」
こっちに頼らず自分で聞けばいいのに。
必死に頼み込んでくる先輩達を見ながら思った火神であった。
なぜこんなことになっているのか。
時間は約数分前、朝練が終わった少し後に遡る――――
* *
朝練を終え、さぁ教室に行こうとした火神と黒子であったが、そこを小金井達に引き留められたのだ。
「なんスか?」
「…………?」
「…………おまえら、小野ちゃんと仲良いよな?」
小金井が確かめるように聞いてくる。
火神と黒子はうーんと思案し、どちらかと言えば自分たちよりもクラスメイトの女子たちの方が仲が良いだろうが、まぁ自分達も悪くはないだろう。
そう考え、「まぁ」と濁すように火神が返事をする。
すると、小金井が両手を合わせ、懇願するようにこう言った。
「お願い! 小野ちゃんにさ、俺らの事どう思ってるか聞いて来てくんない?」
「「…………は?」」
先輩達の雰囲気やさっきの質問から彼女関連だと考えていたが、予想すらできなかった一言に二人とも声を漏らした。
意図が読めない二人に小金井は「いや、実はさ……」とそのワケを語りだす。
「小野ちゃん、ここ数日一緒に部活してるけど、なんつーか………素っ気ない感じなんだよね。降旗達みたく遠慮してるだけってわけでもないっぽいし。
伊月には人見知りなんじゃないかって言われたし、これからゆっくり仲良くなっていけばいいとも思うんだけどさ…………チームメイトなんだし、できれば黒子達みたいに気軽に話せるようになりたいなって。
カントクも気にしてるみたいだし」
「おい、コガ……」
「そう言う伊月も、日向だって気にしてるでしょ? 俺がツッチーと水戸部にこの事相談した時、二人とも「確かに」って言ってたじゃん」
「そりゃそうだが………」
伊月が咎めるが小金井が反論すれば押し黙った。
二年組にとって、一年生たちは可愛い後輩。無論それは、マネージャーとして入部したAも同じ。
小金井以外も口には出していないが、やはりまだどこかで壁を作っているAを心配しているのだ。
ここで、冒頭に戻る。
「頼むって二人共! 聞きだすのはおまえ達が一番適任なんだよ!」
話を聞いてしまった以上無視するわけにもいかず、黒子と火神は渋々それを受け入れたのだった。
平凡な女子高生の先輩に対する想い。→←シックスマンの彼が語る「理念」。
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彩夏(プロフ) - 更新とても楽しみにしていました!続編でも頑張ってくださいね! (2017年6月7日 22時) (レス) id: a1d1edfed6 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉〔刹叉〕(プロフ) - 黒バスの映画で号泣しちゃいました……(´;ω;`)これからも応援しています!頑張ってください!(小説書くのってむずかしいですね……) (2017年6月7日 20時) (レス) id: 0f137dda1a (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 私もアニマックスで黒バス見ましたーやっぱり最高ですね! (2017年5月24日 18時) (レス) id: 54580b9dce (このIDを非表示/違反報告)
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