平凡な女子高生と影が薄い彼の正体。 ページ14
「残り3分……どこまで巻き返せるか……」
得点版と時間を見て呟く。
火神君のマークは相変わらず厳しく、とても頼れる状況ではない。
コートを見てみれば、やはり攻めあぐねている同級生の姿があった。
「さぁ、どうす……!?」
次の瞬間。信じられない事が起きた。
選手がパスを出したボールが、瞬く間に離れたゴール付近にいた選手へと渡ったのだ。
数秒の出来事に、パスを出した者、シュートを打った者、見ていた者すべてが驚愕していた。
もちろんそれは、コート外の私達も例外ではない。
「うっそ……え、今の何? 怪奇現象? 見間違え?」
「(この違和感は何……?
もしかして…何かとんでもないことが起きてる…!?)」
幻でも見たのかと思いきや、次も、その次も、いつの間にかパスが通ってボールがゴール付近まで運ばれている。
何が起きているのか見極めようとボールに目を凝らした。
そしてパスされたボールに触れ軌道を変えている手の主は、あの黒子君。
「まさか……そんなことが……?」
「うわっ、ホントどうなって…………
相田先輩、黒子君は何してるんです?」
「恐らく彼は、存在感のなさを利用してパスの中継役になってる。
しかもそれだけじゃなくて、ボールに触ってる時間が極端に短い。つまり、本来の影の薄さをもっと薄めているのよ」
「影の薄さを薄めるって…………そんなのどうやって?
影の薄さなんて、自分でどうこうできるものじゃないんじゃないんじゃ……」
「……ミスディレクション」
「みすでぃれくしょん……?」
「手品などで使われる、人の意識や視線を他に誘導するテクニック。
黒子君はそれによって自分以外に相手の意識を誘導する。つまり彼は試合中「影が薄い」と言うより、もっと正確に表現すると、自分以外を見るように仕向けているのよ」
「仕向けてるって……!」
自身で影の薄さを薄めていることも、自分以外を見るように仕向けていることも、正直できるのか信じ難い話だ。
だが黒子は実際にやっているし、成功している。信じる以外、選択はない。
「点差がどんどん縮まってく……
すごい……これが、黒子の実力……!」
「元帝光中のレギュラーで、パス回しに特化した見えない選手。
噂は聞いてたけど、実在するなんて……!! 『キセキの世代』幻の
これが、私が………私達が、黒子君の正体を知った瞬間だった。
平凡な女子高生とシックスマンの帰り道。→←平凡な女子高生とミニゲーム。
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彩夏(プロフ) - 更新とても楽しみにしていました！続編でも頑張ってくださいね！ (2017年6月7日 22時) (
レス) id: a1d1edfed6 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉〔刹叉〕(プロフ) - 黒バスの映画で号泣しちゃいました……(´；ω；｀)これからも応援しています！頑張ってください！(小説書くのってむずかしいですね……) (2017年6月7日 20時) (レス) id: 0f137dda1a (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 私もアニマックスで黒バス見ましたーやっぱり最高ですね！ (2017年5月24日 18時) (レス) id: 54580b9dce (このIDを非表示/違反報告)
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