11話 ページ46
沖田side
Aの誘拐事件から一週間が経った日のこと。俺と土方さんと近藤さんは局長室に集まって、あの誘拐事件ことについて話していた。
土方「あの妖一って男の事だが、そもそもAの事を知ったのは、アイツが非番の日に妖一が買い物をしていた時にアイツを見かけて一目惚れしたみたいだ。
そこで、妖一はAの事をストーキングすることをしたらしい。元々、引き籠っていた身分で、ゲームばかりしていた男だ。
普通の接し方もアイツの事も職場も何もは知らなかったんだろう。だから、あそこまで勘違いして、更にはあの行動だ」
近藤「うん。恋愛は自由だが、恋愛にも限度というものがある。もし、妖一という男が、引き籠らず、ゲームにも執着せず、常識を理解して入れば、こんな事にはならなかったのかもしれんな」
土方「総悟。あの後、Aはどんな様子だった？」
沖田「Aですかぃ。Aは」
俺ぁ、あの事件の後のAの事を思い出した。
・・・・誘拐事件の後の夜・・・・
貴方「沖田隊長？まだ起きてますか？」
沖田「どうしたんでぃ？」
貴方「眠れないです」
沖田「具大的に言うと？」
貴方「眠ることはできるんですけど、あの時の恐怖というものが、夢に出てくるんです。そのせいか、寝て起きての繰り返しをしてるんです」
沖田「・・・・・悪夢かぃ」
貴方「悪夢、というのですね。初めて知りました」
沖田「夢を見ることじたい、初めてかぃ」
貴方「存在は知っていましたが、実際に見るのは初めてです」
沖田「そうかぃ」
貴方「すみません。ご迷惑でしたね」
沖田「迷惑じゃねぇよ・・・・・・・A」
貴方「はい」
沖田「来い」
貴方「はい？」
沖田「添い寝してやるって言ってんでぃ」
貴方「添い寝？」
沖田「一緒の布団で寝る事でぃ」
貴方「・・・・・・結構です」
沖田「何ででぃ」
貴方「男の人に触れられると、何故か身体が拒否反応を起こすんです」
沖田「・・・・・・トラウマですかぃ」
貴方「トラウマ？」
沖田「精神的に傷付いていることでィ」
貴方「なるほど」
沖田「・・・・・俺に触れられるの、まだ怖いかぃ？」
貴方「少しだけ」
沖田「おめぇを抱き締めた時も、恐れてたか？」
貴方「・・・・・少し」
沖田「そうかぃ」
やっぱりあの時、もっと早くに助けていれば、こいつがトラウマになることは、なかっただろうに。
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