【銀魂】赤い目の女剣士 (ページ32)

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13話ページ32

沖田side

沖田「ほい、出来た」

貴方「ありがとうございます」

手の治療をし終えた後、Aは遠くの方を見つめていた。俺ぁ、Aの横顔を見ていた。その表情は、相変わらず無表情だった。

貴方「今日のご用攻め。申し訳ありませんでした」

沖田「何がでぃ」

貴方「攘夷を一人、逃がしてしまいました」

沖田「知ってる。つーか、見てやしたぜぃ」

貴方「そうでしたか。気付きませんでした」

そう言いながらも、Aの表情は無表情のままだった。

貴方「躊躇ってしまいした」

沖田「？」

貴方「あの時、逃がした人達。私、殺すのを躊躇ってしまいました」

沖田「躊躇った？」

貴方「あの男女を見ていたら、過去の事を思い出してしまって」

沖田「過去？どんなでぃ？」

貴方「以前、沖田隊長以外の人達に言ったんですけど、私が人斬りになったのは、父が私を人斬りにしたから、私に、母を殺させて」

沖田「！」

そう言うと、こいつの感情がさらに暗くなった。っと同時に、ポツポツと話し始めた。

貴方「私の母は普通の一般市民で、父は人斬りでした。父は、私を人斬りとして育てるべく、私を厳しく育て、時には暴力を振るうことも毎日と言っていいほど、されていました」

それを言うとこいつの感情が、また暗くなった。

貴方「母は、私が人斬りになるのをずっと反対し続けていたけど、お父さんはそれをずっと無視し続けていた。

お母さんは感情が壊れていく私に、いつも手を差し伸べていた。でも、そんな優しかった母も、私は殺した。母を殺した後からも、何度も、何度も、何度も、何度も、「もう良い」？」

Aの話を聞いて、何を思ったのか、俺ぁいつの間にかAを抱き締めていた。

貴方「？沖田隊長？どうかしましたか？」

沖田「別に、取り敢えず、黙って抱かれていなせぇ」

貴方「？分かりました」

あぁ、近藤さん達がこいつに過保護になるのも、理解できる。

貴方(こういうの初めてでどうしたらいいか分からない)