涼くん……［黄○］［男主］ (ページ32)

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「A〜、ご飯できたっスよ…ってまたアルバム見てるんスか」

『うん、この涼くんカッコいい。あ、これも。ちょっと髪長いのもカッコいい。……これは…』

桐皇戦、ジャバウォック戦と次々指差していって、とある写真で手が止まった。

『これは、やだ。女の子いっぱい』

あまり表情の変わらないAの顔が分かりやすくムッとした。

「あー、それは大学1年の時のっスね。ファンの子達が撮って欲しいって煩くて」

『……ふーん』

「なぁんスかw……俺と写真撮りたい？」

『昔……いっぱい写真撮ったのにそれが1つも無いのはちょっと悲しいかも』

……。

「あるっスよ。そこに無いだけでちゃんとあるっス」

『ほんと？』

「置き切れないだけっス。ちゃんと仕舞ってあるんスよ」

置き切れないっていうのは建前だけど。

以前Aと撮った写真ももちろん棚に仕舞ってた。
だけど俺ん家に来る友達とか女の子とか勝手に見たりするから、「この子誰？」とか「めっちゃ可愛いじゃん」とか。

でも

"「この子紹介してよ」"

これが一番うざかった。

なんでお前なんかに紹介しなきゃなんだよ。

Aをなんでお前なんかに？

この時の俺は笑えてたと思うけど違和感ありまくりだったと思う。

それ以降俺は棚にしまうのをやめて人目につかない物置に仕舞った。

これは俺のエゴなだけだから、そんな悲しい顔しないで欲しいっス…

「Aとの写真は実家にあるんスよ。沢山ありすぎて持って来れないっスw」

『捨てられてないならよかった』

「捨てるなんて絶対ないっスよ。何個か持ってきたら懐かしくて結局全部持ってきちゃいそうだからw」

『ｸｽｸｽ………ごめんね、急にこんなこと言っちゃって』

「いいんスよ。不安にさせて俺こそごめんっス」

Aは、俺のなんだから近寄らないで欲しいっスわ。

あ、そういえば……

「ねえA？」

『？』

「来月、俺(たち)の試合見に来て？」