銀髪の先輩［赤司征十郎］ (ページ26)

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ごめん、教室行ってくるページ26

『あ、やっと来た』

--何故だか、Aは嫌じゃないんだ--

「あぁ、遅れてすまない」

『それは全然いいんだけど、今日も逆ナンされてたんやろ』

逆ナン？

「あぁ、違うよ。ただ一緒に昼食べようとか一緒帰ろうとかだよ」

『それ私の中では逆ナン』

--ああ、なるほど--

「ではそういうことにしておくよ」

それぞれ持ってきた弁当は大きさも違いもちろん中身も違う
永吉はほぼ茶色だ。野菜が少ない
小太郎も茶色だがちゃん野菜もある
玲央はバランスのいい食べ物ばかり

そしてAのは…………

いわゆるキャラ弁

「わぁ～！Aの弁当っていつもキャラ弁だな！うまそう！特にこのそぼろ！ちょっと頂戴…」

『こら。その前にすることあるでしょう』

「あ、そうだった。はいみんな手ェ合わせてー
せーの！

「「「「『いただきます』」」」」

皆で一緒に合掌するのはもう習慣になり、違和感も感じなくなった

中学のころも確かこんなことがあったような気がする
涼太と大輝の大食い勝負なんてうるさいなんてもんじゃなかったな

「うんまああああい！Aのうまあああい！！
あ、俺の食う？」

『ううん、大丈夫だよ。たくさん食べな』

「小太郎、あんたAのばっかり食べてないで自分のも食べなさいよ」

「わぁってるって！」

Aに頭を撫でられた次の日から小太郎の意向で昼は一緒に食べようとなった

毎回小太郎がAの弁当を食べ、それを玲央が怒り、永吉は筋肉がなんたらと意味のわからないことを言うことが聞き流せる程度に当たり前になっていた

『あれ、赤司今日はそれだけ？足りるの？』

Aは僕の手に持ってるサンドウィッチを見た

「今日は持ってくるものがたくさんあったから弁当ではなくサンドウィッチにしてもらった」

-ピロリン♪-
『足らんやろ絶対』

「あながち間違ってないと……A？」

Aは携帯を見つめ微動だにしない

先程の着信はAの携帯で
誰かから送られてきた動画を見ているようだ

『……』

だんだんAの顔が青ざめていく

「いじめかこれ？今時こんなのありえ…」

『ごめん、教室行ってくる』

「え、ちょ、A？！」

「あーあ、行っちゃった。相変わらずはえーなー」

「ていうかこの弁当どうするよ？」