なんで急に? ページ13
チャイムが鳴り、朝のホームルームが終わった
Aは席から立ち上がり目的の人物の元へと歩みを進めた
『千尋おはよ』
「っ!?…おはよ」
黛は苦笑を浮かべる
『今日の朝練居たやんね?』
「おいおい、朝から尋問か?治安悪りぃぞ」
『うっさい私の聞いたことにだけ答えーや』
Aの声色がいつもと違う
「あぁ、居たさ」
『なんで急に?』
「…なんでもいいだろ」
『…』
Aは一言も発さず千尋をじっと見つめる
「なんだよ」
『別に?気分屋さんが急にやる気出したんだ〜と思って』
「なんか文句でもあんのか」
『だからないって。他の3年生も頑張ってるし、千尋もがんばろーね』
「あ、ああ」
『あ、今から移動教室だっけ?私美炬と行くから、じゃあね』
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黛side
俺は3年になったらバスケ部をやめようと思っていた。楽しくも面白くもない、最悪じゃねぇか
もともとやるつもりもなかったんだ、バスケなんて
だけど、あいつが、Aが入学早々バスケ部に誘ってきた
Aはバスケをやるのではなく見ているのが好きらしい。あいつの情報処理能力はずば抜けてるからな。確か樋口も1年の頃は一緒にプレーしてたっけな。それから膝壊して今はマネの仕事をしているが
入部当初はマネは10人、多すぎかってぐらいいた
キャーキャー言いやがる奴らばかりで仕事は一切できねえ
徐々にマネは減っていった
唯一その時残ったのはAだけだった
あいつも頑張ってるから俺も頑張ろうと思った
だけど、やっぱ楽しくねぇもんは楽しくねぇ
2年からは度々休むようになって、3年になってまだ1回も行っていない
Aには悪いがバスケ部を辞める
だがあいつが俺をそうさせてはくれなかった
"赤司 征十郎"が
「あなたが黛さん?」
「あぁ、そうだが?誰だテメェ」
「…バスケ部に来い、これは命令だ」
「あ?なんで見ず知らずのやつに命令されなきゃ…「Aも頑張っているよ、必死にね。あなたのことを気にしているようだったよ」…っ」
「明日の朝練から来るように」
てな感じでマジで行きたくなかったが俺は渋々頷いた
朝練キツすぎて死にそうで屍になる寸前
また放課後こんなのがあるのかと思うと気が重い
登校してホームルームが終わり、Aからの尋問を受けた
それからの今だ
「マジで行きたくねぇ…」
黛side 終わり
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作者名:蛍 | 作成日時:2019年10月18日 20時