僕はスターにはなれない (ページ3)

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三つ星ページ3

あれから、歌、踊り、セリフを受け、今は面接の順番待ちだ。

｢次、星谷A｣

｢はい｣

ドアを開け中に入ると華桜会のメンバーがズラリと座っていた。

あれ、一つ席が空いてる

遅刻かな？遅刻はダメでしょ

｢なにか、言っておくことはありますか｣

それ、僕落ちるの確定だよね

言っておくこと…。

言っておくことねぇ…。

｢僕は綾薙祭である人の踊りをみてここに来ようと思いました。｣

まあ、綾薙祭のあってた場所からは離れているけど

｢僕はミュージカル学科に入る気はありませんでしたがその人の制服がミュージカル学科の制服だったので入ってみようと思ったんです｣

実際はスター枠の制服だけど

｢でも、スター枠には入りたくない。僕にはそんな権利はない｣

僕はダンスも、歌も、演技も下手だから

｢それでも！ミュージカル学科には入りたい。あの人がしてきたことをやってみたい。と強く思います｣

僕の言いたいことはこれだけ。

華桜会の人たちの顔を見ると驚いていた。

なんで、驚いているんだろう？

｢君は、スター枠には入りたくないと仰るのですか？｣

｢はい。スター枠に似合うのは兄ですから｣

｢その、ミュージカル学科の高校生とは？｣

｢名前は知りません｣

｢なるほど。終わりましょう｣

｢ありがとうございました｣

僕は面接会場から出て教室に戻った。

兄ちゃんいつ終わるかな。

先に寮に入っててもいいかな。

いや、やっぱり待っとこう。