春 8 ページ9
『この忍務は簡単ではありませんね。確かに、三日間かかるかも』
「…今回は、城に潜り込み、殿の隣の箱に入った密書を取り返せ…ですって。元々は忍術学園のものらしいわ」
『なるほど…お殿様の近くにあるのが難点ですね。まずは行ってみましょう』
「ええ、敵地施策ね」
.
私たちはお城の前まで来た。やけに大きな城だ。
『城兵が居ます。蛍火の術…いえ、天唾の術にしましょう』
「でも、今は聞かせようとしても、聞かせられないわ」
『ここの城は、明日、なにかお祭りを開くようで、城門は開きます。
それを利用するのです。
作戦としましては……』
「なるほどね。それじゃ、今日は野宿だわ」
『ええ、開けた場所を探しましょう。それと、草が生えている場所』
「そうね。周りの木に紐と鈴を括られる場所かしら」
『…ここにしましょう。きっと、大丈夫なはず』
私たちは、草同士を結んだ罠だったり、二本の木に紐を括って、そこに鈴を付けたものだったり。色々と罠を作った。
そして、少し早いけど明日の為に眠りについた。
兵太夫さんの夢を見た。
「A、大好きだよ」
と、叫んでいる兵太夫の夢を。
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作者名:星波きらら | 作成日時:2020年10月8日 23時