文学少女は人殺しだ ページ10
「待って澪奈！！」
少女とさくらはギリギリで澪奈の手を掴む。
しかし、少女達には澪奈を引き上げる程の力は無かった。
「お願いっ………離してっ」
「嫌だっ！！」
「もう限界なのっ！！楽に、なりたいのっ！！」
楽になりたいのは少女だって一緒だ。
でも、澪奈の方が苦しんできた。
「澪奈お願いっ……死なないでよっ！！」
少女は必死に訴えた。
「澪奈がいなくちゃ話が書けないよっ！！書けなくなっちゃったんだよ！！澪奈！！
澪奈に読んで欲しい話がまだあるの！！澪奈とまた、いろんな話したいよ！！あの頃みたいにっ！！」
澪奈は泣きながら少女に言った。
「…この世界はおかしい。間違ってる！
ハルカはそう叫んで屋上から身を投げ出した」
それは、少女が高校生になって初めて書いた話。
初めて最優秀賞を取り、初めて澪奈と彼に褒めてもらった話。
「…オーディエンスは鳥のみ。
ハルカの叫びは風によって消えていく。
しかし、ハルカは笑った。
まるで計算通りだと言わんばかりに」
「世界がそんなことで動く訳ない！！自 殺して報われる人間なんていない！！」
少女は自身が書いた話を自身で否定した。
今この瞬間だからわかる。
死んで喜ばれる人間なんて、どこにもいない。
「お願いだからっ……」
どんどんと少女とさくらの手が滑っていく。
「楽に…ならせてよ」
さくらの手が離れた。
「嫌だってばぁっ！！」
少女は叫ぶが、少女の手も離れていった。
澪奈は目を見開き、少女とさくらを見たまま超高速で落ちていった。
ドサリ、と嫌な音が響く。
「っ…………あああああああああ！！！」
少女は絶叫した。
そして絶望した。
少女は、恋をした彼女を。
大好きな親友を。
殺してしまったのだ。
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蒼炎 - こういうものは、初めて読みましたが、いつもと違う視点で見れて面白かったです！！ (2020年1月21日 10時) (
レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
hoshina(プロフ) - もにゅ。さん» ありがとうございます！！そう言っていただけで本当に嬉しいです！！ (2019年5月27日 20時) (レス) id: 5593419b1c (このIDを非表示/違反報告)
もにゅ。(プロフ) - コメント失礼します。初見ながら、号泣しながら読ませていただきました。言葉遣いや主人公の感情が詰まった作品に感動しました。素敵な作品をありがとうございます (2019年5月27日 12時) (レス) id: 644239c1b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆友梨ぃ☆
作成日時：2019年5月19日 18時
