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俺の生まれ育った家は、両親が膨大な借金をしている家庭だった。
どうしてそんな借金を作り出したのかは知らないが、とにかく貧しい暮らしだった事は覚えている。
家には一日中、借金の取り立てがやって来た。
俺はそれが怖くて、耳を塞いで必死に恐怖と闘う日々だった。
小学校3年生の夏。
特に楽しくもない学校からいつものように帰ってきた俺を待っていたのは、噎せ返るような腐敗臭。
家の真ん中で力なく揺れる両親の姿だった。
「あ………ぁ…」
その姿が目に焼き付いて離れない。
足が動かない。
ぺたりと地面に座り込んで、動けない。
胃から何かが込み上げてくる。
それは止める事も出来ず、ゲボッと口から吐き出された。
置いていかれた。
幼心に思ったのは、そんな言葉だった。
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作者名：hoshina
作成日時：2023年5月6日 23時
