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また彼女が来てくれるんじゃないかって。
淡い期待を抱くようになって、カーテンは開けたままにするようになった。
そんな期待があったから、布団から少しずつ出られるようになって、食料の買い出しくらいなら外に出るようになった。
だけど、他人の目が怖くなった。
お前が彼女を殺したんだ、と言われているような幻覚を見る。
彼女も心を病んでからはこんな気持ちを感じたのだろうか。
今なら、少し分かるかもしれない。
彼女の感じていたであろう苦しみが。
たまに夜にテレビをつける。
彼女の好きなドラマが流れていた。
まだ、最終回も一緒に見れていないのにな。
1人で見るドラマは、やっぱり面白くなんてなかった。
先日、BARのマスターから電話が入った。
彼女の死についての話だ。
そして、お前は大丈夫か、という心配も。
大丈夫な訳あるか、と思いながら「なんとか」と小さな声で答えたことは覚えている。
マスターも、多分大丈夫じゃないな、と思ったんだろう。
何かあれば話を聞くよ、と言って通話は切れた。
話せば、この想いは楽になるのだろうか。
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作者名:hoshina
作成日時:2023年5月6日 23時