検索窓
今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:48,622 hit

ページ10

「っ……あの」

会計を終えたあと、思い切って声をかけた。

いつの間にか店内には俺しか居なかったからだ。

「はい?」

「………」

言っていいものなのか、それだけの事にかなり悩んでいた。

「あ、あの……僕、菅田将暉といいます。
……その、翠は…今、どちらに……」

姉は目を見開いた。

それから、黙ってしまった。

翠はこの実家を公表していた。

売上に繋がるようにと、何かある事に。

故に、翠が芸能界から消えた後は行方を追ってこの店に来た人も多いだろう。

「僕は、酷い事をしてしまいました。
翠がセットの下敷きになった時、怖くて動けなかった。
守ろうって、決めていたのにっ…!!
だから僕、もう一度…翠に会いたいんです。
会って、きちんと話して、謝りたい。
それで……また笑って、あの頃みたいにっ…話がしたいんですっ」

視界が歪んだ。

……嗚呼、そうか。

これが本心だ。

テレビカメラに向かって、毎度発言していた言葉じゃない。

これが、俺の本心なんだ。

同期とかそんなの関係なく、友達として隣にいたい。

「……ありがとうございます。
お時間がよろしければ、家に上がっていってください。
そこでお話します」

俺は勢いよく顔を上げた。

姉が微笑む。

「そこまで菅田さんに大切にされているなんて、翠が羨ましいです」

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
56人がお気に入り
設定タグ:菅田将暉   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:hoshina
作成日時:2019年10月7日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。