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10枚目 ページ10

貴方の身体が灰になって数ヶ月。

私は未だに貴方の手紙を読めずにいました。

何度も読もうとしたのですが、その手紙を持つと貴方はもういないのだと実感してしまい、読む事が出来なかったのです。

現実逃避。

その言葉で全てが片付いてしまいます。

…ああ、そういえばこの頃でしたね。

同じように手紙を読むかどうかで悩んでいる時、私の部屋に幽霊のお客様が来たのは。

貴方だってもう立派な幽霊なのに、ビクッと大きく体を跳ねさせて驚いていましたね。

少しおかしくて笑うと、貴方はバツが悪そうに笑いました。

お客様は私に花束を注文してきました。

ここから遠く離れた田舎にある妹のお墓へ届けてくれ、と。

私は少し前から、幽霊のお客様の依頼も可能であれば受ける事にしていました。

私はさっそく貴方とお客様を連れてお店に出て、束にするお花をいくつか見繕いました。

店に残っていた義理の両親は何となく私の霊感の事を知っていましたから、お金は私が払う事になりましたが花束を作る作業には協力的でした。

次の日に早速、貴方とお客様を連れて電車に乗り込みました。

『外の景色を絵にしたかった』

そう落ち込む貴方に、私は何も言えませんでした。

気分は千と千尋の神隠しの電車のシーン。

電車を乗り継いで、何処までも行ける気がしました。

長旅は貴方の話を聴きながら。

そこで私は、何となく気づいてしまいました。

貴方の未練はきっと、3年A組だった元クラスメイトの将来と、私の将来が気になる、という事。

どんな仕事に就くのか、幸せだと感じているか。

そして、私が貴方とのお別れにケジメを付けて、ちゃんと前に進めるか。

その第1歩が、私が貴方からの手紙を読む事だったんですね。

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設定タグ:3年A組 , 柊一颯   
作品ジャンル:タレント
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hoshina(プロフ) - ひいらぎさん» コメント頂きありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです。僕もなんで先生死んじゃったの……って今でも悲しい気持ちになります… (10月22日 10時) (レス) @page19 id: caa281a59c (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ - 読む度に涙が止まりません。ぶっきーなんで死んじゃったの、 (10月20日 23時) (レス) @page19 id: e6c1a53c18 (このIDを非表示/違反報告)
hoshina(プロフ) - 蒼炎さん» ありがとうございます!! (2020年1月21日 9時) (レス) id: 8ee6c3887f (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - めっちゃ感動した………!最高かよw (2020年1月20日 23時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:☆友梨ぃ☆
作成日時:2019年6月11日 22時

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