それもまた、栄光だったよ【3年A組】

解説続続続 ページ23

葉月は先生に「忘れて」と言いました。

文ではやんわりと「忘れてくれて構わない」と書いていたけれど、本当に忘れて欲しかったんです。

自分のせいで、なんて先生が一生後悔するのは申し訳がないから。

だから、先生はそれ以降葉月の名前を出さなくなります。

葉月は死んだのに、それを敢えて生徒に言わずに「引っ越した」と嘘をつきました。

そして、自分のクラスを人質にした時も、敢えてその名を出さなかった。

きっと、クラスの人達が澪奈ちゃんが死んだ理由を紐解いた時にようやく「もしかして、葉月って…」という感じになるんでしょうね。

先生はニヤリとする。

そんな恐怖な場面が訪れる事になるでしょう。









ああ、それから。

「先生が強いという事を教えて欲しい。気合いで届けて」と、葉月は書いていましたね。

それを証明し、葉月に見せつけたのが人質の騒動でしょう。

やっぱり、先生だけは葉月を忘れていませんでした。








最後に、題名の「それもまた、栄光だったよ」ですが、トリカブトの花言葉に「栄光」という言葉がありました。

死は悪く捉えられがちです。

いや、悪いんでしょうけれど。

自ら死を選んだ人間に対して、僕らは「可哀想」だと、「この子は生きていればきっと…」と、思いますよね。

でも、それが死んだ本人にとって本当にそうだろうか、という話です。

もちろん、その通りの人もいるでしょう。

でも、死んだ方が幸せだったという人もいるかもしれません。

葉月は後者です。

死んだ方が幸せでした。

……先生が幸せにしてくれるなら、生きていても幸せだったのかもしれないけれど。

だから、死んだ事もまた葉月にとっては栄光なんです。






解説は以上です。

思った以上に長くなってしまいました(笑)

本当に、ここまで読んでくださってありがとうございました！！！

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←解説続続

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す