10話. ページ10
「あれ、止まり木チャン。おたくの主将は?いつも止まり木チャンと一番乗りじゃん。」
「…今日手術ですが。
あと私は入部してからずっと一番乗りで光太郎は永遠の二番です。」
「はあ!?」
終業式を終えてすぐに梟谷で合宿。
そこで音駒の黒尾鉄朗に話しかけられた。
私のことを何故か「止まり木チャン」と呼ぶこの人は光太郎と仲がよろしい。
光太郎がいない理由を話せば納得したように頷いてくれる。
「だから止まり木チャン、そのTシャツ着てんのか。」
「…代わりに着てろって。」
エースの心得とかなんとかテンションの高いTシャツを着ていれば嫌でも目立つ。
「へえ、虫除けですか。」
「…?」
うんうん、としきりに頷く黒尾。
いつも変人だとは思っていたがここまでとは。
「止まり木チャン。あんまり心配してないの?」
「心配も何も、光太郎ならすぐに帰ってくると思いますよ。」
早朝集合で各自で梟谷に集合。
早く来て体育館のモップがけをしていればちょっと黙っていてほしいのに黒尾鉄朗は話しかけてくる。
合宿初日が、手術の日だった。
お見舞いには行けそうにないし、来るなと言われている。
俺がいない間、Tシャツ腐りそうだからAが着てて。
なんとも意味のわからない言葉を言われて、たくさんのTシャツを預かった。
Tシャツは腐らない。
でもいつ来るかわからない光太郎だから律儀に着てはいる。
きっと来た時に私が着ていなかったら拗ねるだろう。
赤葦にも、秋紀にも着てろと言われた。
ついでに言うならジャージ上下だって渡された。
とにかくでかい。引きずってしまうほどに大きいから裾を何度も折っている。
「…止まり木チャン、木兎どんな感じだった?」
「不気味な程普通でしたよ。」
「手術聞いた止まり木チャンは?」
「別に普通でした。」
「嘘つけ。」
にぃ、と口元を歪めて笑った黒尾鉄朗は私の顔を覗き込んで言った。
「止まり木チャン、泣きそうな顔しちゃって。
心配なんだろ。」
「………悪いですか。」
「それ木兎に言えば喜んだと思うぞ。」
「…喜ぶんですか。不安になるんじゃなくて。」
「ああ、喜ぶと思うぞ。
…今回も音駒にはマネージャー居ねえから頼んでいいか?」
「…今回はどんな仕事でもください。」
とりあえず、余計なことは考えたくないから。
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ミニタリー(プロフ) - 月夜桜さん» 返信ありがとうございます！覚えていて下さってとても嬉しかったです(^^)こちらこそありがとうございます(笑)あと、続編おめでとうございます！これからも陰ながら応援させてください(^^) (2017年4月8日 15時) (
レス) id: f888c747b5 (このIDを非表示/違反報告)
バレー少女 - すっごく良いお話でした。もう、泣いちゃいました。これからのお話も期待しています。頑張ってください。 (2017年4月7日 22時) (レス) id: e2252f7cf4 (このIDを非表示/違反報告)
灰色キノコ(プロフ) - 月夜桜さん» ありがとうございます！ (2017年4月6日 22時) (レス) id: 3d63e53cce (このIDを非表示/違反報告)
月夜桜(プロフ) - 灰色キノコさん» わかりました！ちょうど今、続編が完成したのでお時間あれば行ってみてください！春高前の合宿からスタートです！ (2017年4月6日 21時) (レス) id: c734ffa514 (このIDを非表示/違反報告)
灰色キノコ(プロフ) - 月夜桜さん» オリジナルなるバージョンを見たいです！ (2017年4月6日 21時) (レス) id: 3d63e53cce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月夜桜
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年3月31日 23時
