九節{junction} ページ41
「お前…異能力を!?」
苦しそうに俺の腕を掴みながら、ハミルトンは段々と呼吸が荒くなっていく。
「へー。そうか。この力、異能力って言うんだな?」
次第に、周囲の炎と熱が俺から発されたものだと理解していく。その度に俺の口角は上へと上がっていく。
ハミルトンは首を掴まれながらも必死に呼吸をしようと粘るが、気温をアホみたいに上げているから、熱で肺が焼ききれていく。
「…そろそろ肺が熱で焦げてきたか?」
カヒュー…カヒュー…
「じゃあ、そろそろ殺してやるか。精々、俺達被害者がどうやって苦しんで死んだかを理解してあの世へ行きやがれ。」
ハミルトンが赤い炎を出して激しく燃え上がる。ジワジワと体の端から炭へと変わり空中で粉々になって消えてゆく。まるで、ハミルトンの存在が元から無かったかのように、儚く消えてゆく。
「覚えとけ。これが本物の証拠隠滅だ。」
そうして、二分後にはハミルトンは消滅した。俺はその場で座り込み、深呼吸を繰り返した。
「スゥー。」
『コーティア!見た!?昨日出た漫画!』
「ハァー。」
『今日もヒーローがカッコよくてさ!』
「スゥー。」
『今日はいつもより怖ぁい悪役が暴れてて!』
「ハァー。」
『ヒーローはいつも早く来て皆を助ける!しかも強い!
まるでコーティアだね!!コーティアは僕のヒーローさ!』
「…何がヒーローだ。何が正義の味方だ。何が皆を助ける。」
一瞬、ハミルトンを燃やしていた時、楽しいと感じてしまった。
「復讐で快楽を感じるヒーローが何処にいる。」
頬を伝った塩っぱい水が、俺が出した炎に消えてゆく。
「…フレッド、ごめんな。俺はもうお前を守れねぇし、お前の望むヒーローですらねぇ。俺はもう、ただの化け物だ。…またお前に会いてぇよ。今お前、何してんだ?」
〜
フレッドside
「お前の両親、村の住民は全て、あの燃える悪魔に殺されたのだよフレッド・M・スチュワート。」
薄暗い教会で、怖い神父が僕にそう言い聞かせる。
「…違う。コーティアは悪魔じゃない。僕を救ってくれたんだ。」
すると頬に、激しい痛みが走る。
「どうやらお前は悪魔に憑かれている。祓わなくては。」
すると神父は目の前にコーティアの写真を出し、十字架で彼の顔を切り裂く。
「やめろ。やめるんだ。」
「ふむ、重症だな。」
やめろと言っても裂くのを止めない神父。
僕は怒りに身を任せ、神父の喉元を噛み千切った。
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肉塊(プロフ) - 低鈴さん» 好きになってもらって何か嬉しいです。連載までまた少し待ってください。これから飛ばします (2022年12月11日 20時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
低鈴 - 何かめっちゃすきいぃぃぃ!ってなりました!更新頑張って下さい!応援してます! (2022年12月11日 20時) (レス) id: 8c328be9ea (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 花陽さん» いつも本当にありがとうございます。これからもまた心臓に悪い展開を続けていきますので何卒〜 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - 続編おめでとう御座います、【熱】の血の花嫁編も佳境に入ってきまして、とても楽しく読ませて頂いております。此からも応援してます! (2022年7月29日 23時) (レス) @page1 id: 7fe3a7997e (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» うぃ〜‼️ありがとうございます‼️これからも驚かせていきます! (2022年7月29日 22時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉塊 | 作成日時:2022年7月29日 21時