第六十一話「迫り来る■■」 ページ14
Noside
「花嫁殺し、ピエール・ルメートルの死亡を確認しました。」
冷たい氷の様な女の声が神秘的な礼拝堂に響く。
「え、ちょ、睨まないでよスーちゃん!!俺はただの指示役!捨て駒って言ったの神父様だからね!?」
「別に睨んでないわよ五月蝿いわね斬り捨てるわよ。」
「そ、そんな一息でバッサリ言わないでよん!」
サングラスをかけた牧師が、シスターの足にしがみつき殴りたくなる様な笑顔で媚びを売る。
「まぁまぁ、二人共落ち着きなさい。モグモグ。今神父様は神のお告げをお聞きになってるんだ。静かにしよう。モグモグ。」
クリン、とくせっ毛の美しい顔立ちをした男が薔薇を食べながら二人を仲裁する。それを見る二人は少し苛立ちの表情を浮かべた。
「…お前達。」
渋い男の声が、三人の動きを止め、その場に跪く。
礼拝堂の天辺からその声の主がまるで我こそが神だと言わんばかりの態度で現れる。
「…神からのお告げだ。悪魔は今もまだ世に解き放たれている。
一刻も早く、Ms中本の体から悪魔を消し去れとの事だ。
それは彼女にとっても、悪魔にとっても、私にとっても大切な神からの名であるぞ。」
コーティアside
「や〜っと外に出られた。」
俺は相棒のボロボロの体を使い、元々着ていた服と条野の旦那を担いで無事式場廃墟から脱出出来たのである。
俺は地べたに落ちる様に座り込み、空を眺める。建物ばかりある所為か、あまり星は見れなかった。
「…ゴホッ!」
条野の旦那が、咳き込み、体を丸めた。此奴の体と違って、旦那の体は幾ら改造されたといえ生身の人間のものだ。俺らとは違う。
「おーい、大丈夫か〜?」
「…。」
旦那は静まり返り、俺は空を再び見上げようとした。
「…貴女、中本さんじゃありませんね?」
真面目な声が彼の口から俺の心にヒットする。
「ああ。俺はコーティア。ぽっと出から昇進して今はAの相棒さ。」
「…貴方と話すのは、これが初めてですね。実は、ずっと前から折り入ってお話をしたかったんですよ…。」
旦那はフラフラと体を起こし、俺を睨む様な顔をした。
まぁ、理由は分かるがね。
「何だ?言ってみろよ。」
「では、言いますね。中本さんに、武装探偵社を辞めるように伝えて下さい。」
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肉塊(プロフ) - 低鈴さん» 好きになってもらって何か嬉しいです。連載までまた少し待ってください。これから飛ばします (2022年12月11日 20時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
低鈴 - 何かめっちゃすきいぃぃぃ!ってなりました!更新頑張って下さい!応援してます! (2022年12月11日 20時) (レス) id: 8c328be9ea (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 花陽さん» いつも本当にありがとうございます。これからもまた心臓に悪い展開を続けていきますので何卒〜 (2022年7月29日 23時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
花陽(プロフ) - 続編おめでとう御座います、【熱】の血の花嫁編も佳境に入ってきまして、とても楽しく読ませて頂いております。此からも応援してます! (2022年7月29日 23時) (レス) @page1 id: 7fe3a7997e (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 三斗(トリップ願望者)さん» うぃ〜‼️ありがとうございます‼️これからも驚かせていきます! (2022年7月29日 22時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉塊 | 作成日時:2022年7月29日 21時