【賢者の石】もう1人の伝説の子[男主] (ページ5)

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覚悟ー3 ページ5

「ごめんなさい。心配させてしまいましたか？」

声を震わせ眉間にシワを寄せながら自分のことを見上げる少年に、マクゴナガルは申し訳ない気持ちになった。

マクゴナガル「ごめんなさいデューク殿。貴方の覚悟はしっかりと伝わりました。まだ11際ですものね。時間はたっぷりあります。それに、未来は自分の力で切り拓くものです」

そう自分に言い聞かせるように言うマクゴナガル。

それは少年にも伝わっていた。

「マクゴナガル先生。僕は魔法使いにならない方がいいですか？」

マクゴナガル「それが覚悟を決めた者が言う言葉ですか！」

あえて厳しめに言うマクゴナガル。

少年はその言葉に怯えながらもどこか嬉しさを感じた。

「ふふ、そうですね。僕の未来は僕が拓きます」

自信たっぷりのその顔にマクゴナガルは安心感を覚えた。

マクゴナガル「それでよろしい。ただ、闇に染まるのではないですよ。これだけはあなたの運命だったとしても変えなくてはならないものです」

「わ、かりました…」

そんな曖昧な返事に言ったものあまり分かってないとマクゴナガルは感じ取り、話を変えてみる。

マクゴナガル「ところで、デューク殿は『例のあの人』のことは知っていますか？」

「はい。母から少し聞きました。名前も出してはいけない、と。それと闇というのは『その人』自体だと…」

思い出すように言うデュークが可愛くて仕方がない、という顔をするマクゴナガル。

マクゴナガル「安心しました。決して『例のあの人』の手下になることは認めませんよ。いくら貴方が優秀でもどんなに強くても止めてみせます」

「マクゴナガル先生。僕はそんなに弱く見えますか？」

可愛いと思っていた少年の口から出た芯のある重い言葉に衝撃を受けるマクゴナガル。

してやった！
この人のこんな顔見たのは俺だけじゃないか？

マクゴナガルの驚いた顔を見て内面意地悪そうに笑っていた。

しかしマクゴナガルの表情はすぐいつも通りの顔に戻る。

マクゴナガル「驚きました。頼もしい限りですよ」

微笑みながら言うマクゴナガル。

この微笑みに優しさ以外の感情は感じなかった。

そんなほのぼのとした空気の中、鍵を開けドアを開ける音がした。

母さんだ！

少年はドアまで走っていく。

「おかえり！」

母「ふふ、ただいまA。お客様？」

「うん」

母「でも私お客様なんて知らないわよ。まさか！勝手に人を家に入れたの？」

「ごめんなさい。でも…大事な人だって、思ったから…」

母「…Aがそう信じるなら私も信じるわ。案内して頂ける？」

「！！もちろん！」