【賢者の石】もう1人の伝説の子[男主] (ページ21)

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始まりの旅ー6 ページ21

ハリー「アラン…デューク…」

ハリーは覚えるようにボソッと呟く。

ロンをチラっと見ると少しだけ目を見開いて少年を見ていた。

「なんだい？ロンもお父さんの名前くらい言えるだろ？」

少年は当然だという振りをして冗談ぽく少し笑う。

ロン「う、うん…」

「それで？父さんは何をしたの？」

ロン「そうだな…どこから話せばいいか」

ロンのその言葉に少年は自分の父親がそんなに悪いことをしているのかとハラハラする。

ロン「少し長くなるけど君のお父さんがホグワーツの学生だった頃の話からでいいかい？」

「長くなればなるほど俺は助かるよ」

ロン「ならいいんだけど…えっと、まず闇の魔法使いにはスリザリン出身の魔法使いが多いのは知ってるだろ？でも、君のお父さんは数少ないグリフィンドール出身の闇の魔法使いなんだ」

少年は自分の家族のことで恥ずかしくなる。

ロン「しかも、理由はわからないけど、ホグワーツにいる頃から【あいつ】に注目されていたらしいんだ。本当かどうかはわからないけどね。あ、あと、ハリーのお父さんと同窓生だった。えっと、それで、卒業後すぐには入れないと言われてる魔法省に勤めた。それほど優秀だったんだ、君のお父さんは。でもそれも自分の身を隠すためだった。まさか魔法省の人間が闇の魔法使いだなんて思わないだろ？」

ロンのその言葉に少年は深く頷く。

「でもそれって、結局闇の魔法使いだったってことがバレてるんだろ？」

ロン「あぁ。すぐにバレたさ。流石の魔法省だもの！しかも君のお父さんも若かったからね。それでそのまま姿を眩ました」

話がひと段落し、少し疲れたように息を吐く。

ハリーはまだ緊張した面持ちでゴクッと喉を鳴らした。

「そのあとはどうなったの？」

ロン「それから一年経ったくらいだったかな。一晩に1人、若い魔女が姿を消す事件が何週間か続いたんだ。そこで、魔法省が調べてみると毎回同じ見た目の男が話に上がるんだ。背が高くて、赤髪で、ハンサムで、色気のある男。だから魔法省の若い魔女が囮になってその男に近づいた。その男はまんまとその罠にハマってその魔女を口説き始めたんだ。魔女はそれに乗るフリをして調査を進めた。それで、ある日、連れて行きたい場所があるって言われて、ある場所に連れて行かれたんだよ」

そこでロンは急に肩唾を飲む。

「どんな場所だったの？」

話の展開を促すように少年はロンに聞く。

ロンは少し血色を失った顔色をしながらも話を続ける。