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3 【ファージャ】 ページ3
今日はええ天気や。
草木も風に揺れて耳に届く音がうるさくない程度に通り過ぎる。外にある廊下の上から降り注ぐ太陽の日差しが心地ええ。そんな日はウチの美しくも情熱的なダンスを踊りたい気分や……と言いたいところを抑えるわ。
｢りんごー、そこ邪魔なんやけど？｣
｢……｣
｢あんた、でかい図体しとるんやから、もっと端で突っ立ってくれんか？｣
｢……ファージャ｣
ウチの方を見たりんごは、眉間にしわ寄せて顎に手をあてながら、ウチを睨むように見た。
｢なんや、そんなに見て何になるん？｣
｢……お前、Aに会ったか？｣
｢？……見てへんで｣
｢なら、スキャターは？｣
｢お喋りならしたで。｣
そう言うと、りんごは深刻そうな顔をしてホテルの中へ続く扉の前に立った。何かアカンことでも察したかのような目をウチは見逃さへんで……！
咄嗟にりんごの、なっがーいコートを掴む。唸るような声を出して｢何をするんだ｣と言わんばかりの目をしてウチを睨む。
｢なんや、珍しいもの見させてもろたし……りんご、ウチも協力したるわ！｣
｢いや、私だけで……｣
｢そう遠慮せんでもエエで！それに、アンタの力だけじゃ、どーにもならん｣
さて、まずは………あのカラスからにするか
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作者名：東雲大我 | 作成日時：2019年5月12日 21時
