Happy Villains Story!!【短編集】 (ページ9)

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迷惑【エイトフットのジョー】ページ9

ミスターに休暇を頂いた。

分厚いカーテンの隙間から眩しい日光が射し、脱ぎ捨てられた私の衣服を照らす。昨日のことで泣き腫らした目が布団に触れる度に痛みを感じる。泣いてそのまま眠ってしまったのだろうと推測して体を起こす。うつ伏せになって、猫のように丸くなっていたために腰がパキッと鳴った。変な寝方をしてしまったと少し重い頭を抱えて、光の射す方へ向かう。

『……スキャター』

今日1回目のリクルーティングが終わりを告げ、スキャターが免許皆伝したことをゲストの方々に報告していた。私はスキャターが頑張っていたことを知っている。それはリクルーターと同じヴィランズになる為の試練を乗り越えた末の結果なのだ。私はスキャターがヴィランズになる為の手伝いをしているつもりでいた……それなのに、昨日のように面倒を増やして休めなくなっている。

スキャターがヴィランズになることは、喜ばしいことだ。私は彼女の成長を願い、接してきた。仲間が欲しかった。ただそれだけの理由。

『考えていても、仕方ないわね……』

頬を叩き、気合を入れる。昨日の片付けは終わったから、エントランスに向かう。少し足取りは重かったが、ドアに手をかける……開けた

｢うわっ……驚かせんじゃねぇよ……｣
『うわ、たこ……』
｢うるせぇ、怪力オンナ｣
『失礼ね、貴方にそう言われる程の力なんて、私にはないわ』

気分が悪い。とドアを閉めて部屋に戻ろうとすると、｢ちょっと待て｣とドアを押さえられ、攻防を繰り広げた。ドアは閉まりもせず開きもせず中間を保つ。

『離してください……壊れる……』
｢じゃあ、てめぇが離せ……｣
『……！では、そうさせていただきます』

ドアノブから手を離し、すぐに立ち退くとエイトフットさんはギャッ!!っと変な声を出して倒れた。立ち上がって私の胸ぐらをつかみ｢テメェなァ……｣とわなわなと怒っていた。怒るなら私に関わらないでよ、とても迷惑だわ。