Happy Villains Story!!【短編集】 (ページ7)

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暴走【ジャックハート】ページ7

｢ボクの世界はエンターテインメント！｣

ここはエントランスだ。そう、私がいつも報告書を作成したり、そこで紅茶を飲んだり、次のリクルーティングの為に仮眠をとったり……私の第2の癒し空間であるこのエントランスで、しかも私の目の前で自らの口上をはじめたジャックハートさん。目の前にマイクがあるように手を動かし、最後のポーズが決まって終わった。ちなみに、効果音はセルフ。

『……ジャックハートどうもありがとう、ジャックハートのポーズは……』
｢いやいやいや、ミスターいらないから！｣
『……みなさん、ポーズはわかりましたか？それではもう一度……』
｢スキャターもいらない！！｣

その言葉を聞いた瞬間、何かが壊れた音がした。ガラスのように甲高い音でなく、コンクリートの壁がハンマーによって崩れていく音でもなく……金属が振動に反応してぶつかったり、擦れたりした音。そして、徐々に激しくなる振動に耐えきれなくなった金属が弾け、床に叩き落とされた……様な音。

そのあとの記憶は、全くと言っていいほど綺麗に無くなっていた。

────……が、

｢許してください!｣

と声が聞こえた気がした。