Happy Villains Story!!【短編集】 (ページ49)

今日:3 hit、昨日:21 hit、合計:29,421 hit

ハナズオウの日記帳【プロローグ】ページ49

【ハナズオウの日記】

・このホテルのどこかに眠る日記

・持ち主は不明。その名の通り表紙の真ん中にハナズオウが描かれているためと花好きの女性のものいう噂がある。

・ハイタワー３世が失踪した後に、彼の机の引き出しから見つかったが、その引き出しの中にはハナズオウの花弁が敷き詰められていたという。

・それからこの日記は世界を転々とし、またこのホテルに戻ってきた。ちなみに、この日記を所持し、時に保管していた当時のハイタワー３世は、とても上機嫌だったという。

───────……という話だ。

私とスキャターの前には、その日記帳が置かれている。そして、話の通りに表紙にはハナズオウの花が描かれている。少し黄ばんだ表紙の中央に咲いたそれは、とても綺麗であったが……

『花が、枯れていない……何故です？』
｢それは私も思ったが、もっと驚く所あるだろう？｣
｢な、なんで……その日記帳が、ここに？｣
｢そうスキャターそれ、そのリアクションだよ｣

ミスター曰く、部屋を出ていこうとした際に視線を感じ、振り返ると日記帳があったのだという。そして、カーテンがふわりと広がり、ミスターの部屋に心地よい風を運んだ。

｢きっと、誰かのイタズラですよね……？｣
『仮に例を挙げてマルフィさんがやったとする。マルフィさんが腕を翼にしたとしても、音が大きいし、烏に戻ったとしても……この重量では難しいわね』

では一体誰が？そんな疑問が脳を独占する。ふと見た日記帳は美しく見えるが、この日記帳が招く事件を私達はまだ知らない。