Happy Villains Story!!【短編集】 (ページ24)

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マルフィ《違和感》ページ24

｢さて、これはどういうことか……｣

私はいつものように鏡に映る自分を眺めていた。このヴィランズの中で最も美しい自分であるために。角、髪型がどの角度から見ても美しく映えるように整えていると、『違和感』という言葉が不意に浮かんだ。私は当然美しいままなのだが、妙に魔力を持っているような……私のでは無くほかの誰かの。害はなさそうだが、気持ちの悪い魔力だった。恨みがこもっていると思えば、その恨みを晴らして許したような……かと思えばまた何かを恨むような、コロコロ変わる人間の心のような印象があった。

｢今日も相変わらず美しいことで……｣
｢ああ、エイトフット……当然だろう？何せ、ヴィランズの中で1番美しいのは……私なのだから！｣
｢あー、はいはい……つーか妙なのに好かれたな｣

私の持つ手鏡を指さして、｢お気の毒に｣と口角を上げた。他人事だと思って面白がっているのだと察すると、また鏡を眺めて身だしなみを整える。エイトフットの言う｢妙なの｣というのは、おそらく取り除くことは出来るが、しぶとくて厄介。という意味だろう。

｢誰がいつやったのかも知れねぇが、あんまりにも気味の悪いようだったら、手伝うぜ？｣
｢……いや、遠慮しておくよ｣

全く……何日寝ていないんだ、君は。目に思い切り《契約》という文字が見えたぞ。なんて思いながら再び鏡を覗くと、

鏡の中の私が、

口に手を当てて笑った。