Happy Villains Story!!【短編集】 (ページ3)

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鏡【マルフィ】ページ3

『マルフィさん、眩しいです』
｢私の美しさは、Aには眩しく見えるのか……！｣
『いや、貴方の手鏡です』

彼は笑顔で日光を鏡で反射させて、私にソーラービームを食らわせる。眩しくて目は開けられないが、少し冷たい風が吹いているためか、光の当たる場所は少し暖かい……ええ、リクルーティング中です。しかも、今日は私がスキャター代理でゲストの方々の前に立っている。｢これもヴィランズになる経験のひとつだ｣とミスターが言っていたけれど……

｢え!?Aちゃんがいる！｣
｢今日はレア回だ！｣
｢やばい、初めて見た……すっごく可愛い……｣

カメラのレンズがこちらを見る。なんかよく分からない薄い板を縦にしたり横にしたりして、その板を観察しようと近寄ると、持っていたゲストさんが驚いて辿々しい行動をしていた。

『あの、これは……？』
｢ス、スマホです！｣

ゲストさんが私に向けていた面を反対にすると、鏡が現れた。手を振ったり、いろんなポーズをとってみたりすると、ゲストさんは、嬉しそうにこちらを見ていた

『……これは鏡ですか？』
｢か、鏡にもなるよ！他にも色んなことができるんだ！｣

頷いていると、後ろから何かがのしかかってきた。それをみたゲストさんは黄色い歓声をあげる。

｢あんまりいじってると、マルフィがポーンって蹴っ飛ばしちゃうよ？｣
『ダルメシアさん、重いので……降りて下さい……』