平凡と非凡(1) ページ14
「あの……何故このような事を？」
私はレギュラス先輩に問いかけた。
トランクをゴソゴソと探っていたレギュラスは動きを止めて、私には向き直る。
「このような、とは？」
私の問いかけたい事が分かっているような薄い笑みを浮かべる。
「私の飲む水に薬を仕込んだでしょう？」
「正解。と言いたいですが、なぜ？」
私はレギュラス先輩の問いに返事をする。
「違和感、ですよね。やはり」
「……まぁ、そうですね」
あっさりと認められ私は悲しい気持ちになる。
「でもあの水、減っていましたが？」
「えぇ、潤いました。ハンカチが」
そう、私はあの水を飲んでなど居ない。飲んだふりをしながらその水を全てハンカチに吸い取らせていたのだ。
「……なるほど。いつから薬を盛られると思っていましたか？」
「このタイミングだろうとおもっていました。ご飯時だと時間が早い上に私の身かレギュラス先輩の身に何かあったら目撃者が生まれる筈です」
「平凡、なんてよく言えましたね」
レギュラス先輩は苦笑しながらそう言った。
「……」
少し頭を働かせただけだ。レギュラス先輩の行動があまりに単純過ぎたせいで、私にも何をしようとしているのか理解できた。
私の平凡さは変わらない。
「でも僕は、平凡なんてないと思います」
「……え？」
不意に話が飛んで私の頭は白くなる。
きっと薬を盛ったことに対する言い訳や逆上して罵倒してくる。もしくはそれと同様の言葉が飛び出してくると思っていたからだ。
「だってこの世で普通の事ってありますか？例えばこの魔法界。僕達からすると平凡な世界ですが、マグル界からすると異質の存在です。その逆もまた然り。自分自身からすると高成績を取ることは平凡のうちの一つですが、他者から見るとそれは平凡ではない。つまり、平凡なんてこの世に存在しないんですよ」
手を広げて嗤いながらレギュラス先輩は続ける
「この世で自分自身と理解できぬ他者を断ち切る言葉。それが『平凡』です」
私は息を呑む。
「……つまり、平凡と言っていた私を殺したいのですか？他者からの干渉を平凡なんていう言葉で断ち切ろうとする私を」
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星の海(プロフ) - Blue Roseさん» コメントありがとうございます！全然気づかず申し訳ないです！レギュラスの解釈が一致と聞いてとても喜んでおります！これからもボチボチと精進していけたらいいなと思っておりますのでよろしくお願いします！ (2021年3月31日 17時) (
レス) id: cd90b06017 (このIDを非表示/違反報告)
Blue Rose(プロフ) - 感動しました…。私もレギュラスが好きです！星の海さんが書くレギュラス私のイメージと一緒でした！とにかく良かったです！これからも更新頑張ってください！ (2020年5月4日 21時) (レス) id: 9f50494060 (このIDを非表示/違反報告)
星の海(プロフ) - Mさん» コメントありがとうございます！文章力にあまり自信がなかったのでそう言って頂けると非常に嬉しいです！これからも更新していくのでよろしくお願いします！m(__)m (2018年10月12日 10時) (レス) id: ec90b266cb (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 作者さんの言葉の選び方がとても好きです！柔らかい印象というか雰囲気というか、物語に入りやすいです！更新応援しています、頑張って下さい！ (2018年10月11日 21時) (レス) id: 3c8059266e (このIDを非表示/違反報告)
星の海(プロフ) - あんころころもちさん» コメントありがとうございます！色々と褒めて下さりありがとうございます！私も是非レギュラスの事について話したいですヽ(｀▽´)/ 占ツクよりもサイトの方が更新が早いと思うので亀更新になるとは思いますが気長に待っていただけると幸いですm(_ _)m (2018年10月7日 23時) (レス) id: ec90b266cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星の海 | 作者ホームページ：https://nanos.jp/hoshinoumi1961/
作成日時：2018年10月7日 14時
