真実5 ページ6
「……うん、完璧……♪」
恍惚とした表情を浮かべる瀬名先輩は、手鏡を手渡してきた
驚くほど変わったというわけではない。ほんのりと目元や頬が赤で彩られている。女性らしい、というのだろうか。
「あんたこの後も店番?」
『いえ、午後から軽音のライブ、明日の舞台の点検、リハーサルがありますね』
「ふーん…。なら丁度良かった♪メイクはいろんな人に見てもらって、より一層輝くものだからねぇ」
モデルでもある彼が言うと説得力が違う。
『ありがとうございます。なんだか…新鮮な気分で挑めそうです。』
瀬名先輩はふん、とメイク道具を仕舞う。
「いい顔するじゃん」
そして意地悪そうに私を指さして笑った。
『?』
言っている意味が分からず、守沢先輩や羽風先輩の方を向く。
彼らと目が合うとニカニカ、ニコニコとまるで保護者のような笑顔を向けられる。
「さすがせなっち〜♪ナチュラルなのにすっごい可愛くなってる〜♪Aちゃん元から可愛いからより惚れちゃいそうだよ〜」
「いつもより柔らかい雰囲気だな!有川にはそっちの方が似合ってるぞ☆」
欲しかった感想ではないが、とりあえず礼は言っておく。
「なんていうか、Aちゃんの表情筋柔らかくなったよね」
「ああ!最初の頃に比べてだいぶな!」
『……そうですか?』
うんうん、と頷く2人。頬に手を当てると確かに今も笑っている。
「その笑顔が、だいぶ優しくなったってこと。」
おかしなことを言う。
『笑い方は、変わっていないのに。』
「笑い方じゃない。笑う雰囲気ってこと。無理繕った笑顔が減ったってこと。」
どういうことなのかさっぱり。仮面はずっと外していないのに、その言い方じゃ、正体を見破られたようではないか。
『…そう、なんですね。』
不思議と、悪い気はしない。
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コメント返信できずすみません。
全て目を通させていただいてます。いつもご愛読いただきありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
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星宮 その(プロフ) - ゆのんさん» 温かいコメントありがとうございます。私自身、話の流れやオチに様々な葛藤があり、流されることもありましたがそう言ってくださりとても嬉しいです。最後までお読みくださりありがとうございました。またお立ち寄りくださると幸いです🍀 (3月31日 21時) (レス) id: 240e030cee (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん(プロフ) - 二回目のコメント失礼します。ここまで面白い作品の評価が殿堂入りじゃないのかが不思議でなりません!とても心地よく読ませていただきました。この作品を書いて下さりありがとうございました。 (3月30日 2時) (レス) @page28 id: 69c19f3dfe (このIDを非表示/違反報告)
ゆのん(プロフ) - は〜…………一気に読んでしまいました。私は時々嫌われ系の夢小説を無性に読みたくなり、読みに来るのですが、ここまでオチに納得したのは初めてです。伏線の回収や、キャラの設定、どれもとても良かったです!面白すぎて、いつの間にか作品を一気に読んでいました! (3月30日 2時) (レス) @page28 id: 69c19f3dfe (このIDを非表示/違反報告)
星宮 その(プロフ) - Not useさん» コメントありがとうございます🤍そう言っていただけて本当に嬉しいです。また気が向いたときに立ち寄ってくださると幸いです🍀改めて、最後までお付き合いくださりありがとうございました。 (2022年12月24日 12時) (レス) id: 240e030cee (このIDを非表示/違反報告)
Not use(プロフ) - 完結お疲れ様でした。とても好きな作品の1つです。 (2022年12月23日 13時) (レス) @page27 id: e53561566d (このIDを非表示/違反報告)
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