新人スタッフさんは俺の

まにあ ページ1

やっとの思いで開催される、全国ツアー


そりゃね、ライブ大好きだからね。


ファンの方に会えるのも楽しみだし、ずっとAと居られるのも嬉しいし。




「くあああ」


『どんな調子？』


「んー、うん、ごめん眠い」




何度目かのリハーサル中のリハ室、俺の隣で眼鏡をかけてパソコンに向かっていたお嬢さんはというと


今回も映像を任せられたみたいで、なんとなくで作ってもらったやつに俺らの意見を取り入れて作り直し終わったところ


付き合い始めてから徐々に無くなった敬語も、いつもはシャキシャキしてるのに俺の前では遠慮なく寝ちゃうような雰囲気も、慣れたもんだね




「あーダメや、起きへんと」


『今は良いよ、佐久間たちずっと遊んでるから暫くはリハ始まらないし』


「そう？じゃあ寝るわ」


『んは、おやすみ』




そうそう、この方言ね、超可愛いっしょ。好き。


椅子にかかってたストールを机に突っ伏した彼女の肩にかけてあげて、パソコンを拝借する


やっぱりすげえよ、こんな短時間でほぼ理想通りの映像作れちゃうんだもん


でも短時間で本気出しすぎて、こうやってすぐ眠くなっちゃうんだろうね。可愛いなあ本当




深「うわすげぇな....」


阿「さすがAちゃん、仕事速いね」


『だろ？凄いんだよ』




だって俺の彼女だもん

いや、まあ、彼女の努力のお陰なんですけどね




「....何分ぐらい寝とった？」


『まだ10分しか経ってないよ』


「あれれ、もうちょい寝たつもりやったのに」


『んは、可愛いなあ。もうちょっと寝る？』


「ううん。なんか目覚めたで良いや」




急にむくりと起き上がって、もうすでに目はぱっちり。短時間で回復しちゃうところも、この子の凄いところだよね


ぽんぽんと頭を撫でてあげると、「なによ、笑」と照れ臭そうに笑う




俺ね、どれだけ色気がある綺麗な女の人がいても、どれだけ可愛くてスタイルがいい女の子が居ても、こいつには絶対勝てないって確信してる。


なんでこんなに可愛くて愛しいんだろ、ね笑

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