夢をくれた幼馴染みへ捧げる野球人生２ (ページ46)

今日:15 hit、昨日:34 hit、合計:2,795 hit

4 ページ46

御幸side

男として見られてないのか、ただの幼馴染みや兄ちゃんにしか思われてないのか、無防備に体を預けられ夢の世界に飛び立った目の前の女の子を見る。
スー、スーって言ってるし、これは完全に寝たな。

俺よりも一回り以上小さい手の爪を切っていく。女の子なのに、指先が硬くなってるその辺の子よりも逞しい手。男に負けじと必死にくらいつく姿は、俺から見たら尊敬するよ。
変化球を1つずつ覚え、簡単には打たせない、簡単にはマウンド譲らない、正面から見てもその顔はエースそのものの顔つきだった。

なんで男じゃねーんだ、って思うことも勿論あった。けど今なら女の子で良かったって思う。堂々と一緒に居てやれるし、堂々と牽制をかけられる。

最初はこの学校を通う時、寮へ住むのは不味いかと思ったけど、長時間の電車通勤の方がよっぽどこえー。近くで見てない分、何が起きるかわかんねーしな。そう思ったら、やっぱ目の届くとこにいて欲しい。こうやって毎日遅くまで会うことも出来る。

野球に支障を起こすことはぜってーしねーけど、それでもやっぱ去年の1年間は俺も辛かったな。初めて離れ離れになってこんな心苦しいとは思わなかったよ。

ほんと、心底惚れてんな、俺…。

コンコン

こんな時間に誰だ？