第7球 バッテリー ページ35
「A後でベンチに来て欲しい。お前に頼みたいことがある。クリスや御幸を読んであるから行けば分かるはずだ」
「は、はい。春ちゃん、ごめんだけど、これ終わったら後ここにお願い」
「うん、いってらっしゃい！」
ゆきくんだけじゃなくてクリス先輩も。捕手が集まるって何かこの後あったのかな…？
「お、きたなA」
「…久しぶりだな」
「は、はいお久しぶり、です。クリス先輩」
「2年半か3年ぶりか」
「シニア以来です、よね？覚えてて、くれて嬉しい、です」
「あのピッチングを見せられたらそう忘れられないさ」
ほ、褒められたっ。
「あ、ありがとう、ございますっ」
「A固すぎ」
「だ、だって、く、クリス先輩だよ」
「わかったわかった」
「相変わらず仲が良いようだな」
「お陰様で。お、あいつらもきたか」
なるほど、投手人のことで私もここに。
「降谷君は関東大会に登板があるかもしれないから、御幸君とセットプレーやサインの確認をしておいてね」
「わかりました」
あ、あれ？
「礼ちゃんこいつ球威はあるけど、コントロールは全然ッスよ。あと毎日100球は投げ込んでスタミナも強化しなきゃなー」
「あら、降谷君の球受けたことあるの？」
「昨日の夜、キャッチボールしてた」
「Aちゃんもいたのね、あんま夜更かしはダメよ？お肌に悪いから」
「こくこく」
でも、昨日は本当に凄かった。キラキラ輝いてて嬉しそうだった。
「自分は御幸先輩の指示に従います。よろしくお願いします」
「なんだよ、今日は素直だな」
「最初はこのくらいがいいかと」
「はははっ、このやろう」
栄君、顔が面白いことになってる。
そんな栄君は気にせずに、栄君はクリス先輩と組むことになった。
主にリード面やマウンドの心構えを教えてもらうらしい。なんか不満そう…、というより睨み合ってる。大丈夫、かな…。
「そしてAちゃん、疲れるかもしれないけどこの投手人をよろしくね」
「よ、よろしくとは」
「ベースカバーとか打たれた時はどう守備するのかとかは、他の人に任せれるけど、投手としての制球やマウンド上はどうするべきか、自主練の方法など伝授してあげて欲しいの。貴方にはそのくらいの力は当然持ってるのだから」
持ってると言っても、これおとーさんがやってたのを真似してるだけでちゃんと学んだことない、気がする。今度聞いてみよーかな。
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作者名：星河実羽 | 作成日時：2023年9月9日 14時
