君を忘れない

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『…まっす…』





深夜、突然かかってきた電話





「…どした、？」



『……眠れない…』






手越の様子がおかしい…






『…こわい』


『眠ったら、もうっ、…起きれないかもしれないっ』





初めて聞いた手越の弱音








「そんな事ないよ…
大丈夫大丈夫。」





電話の向こうで不安に震え泣いている手越に、
なんて声をかけてあげるのが正解かなんてわからなかった


本当に大丈夫だって保証はないし、明日何が起こるかなんて誰もわからない




…でも、手越を安心させてあげたかった





『…ﾋｯｸ…怖いのっ…おれ…』






今すぐにでも会いに行ってやりたい


会いに行って、少しでも安心させてやりたい








面会時間はもうとっくに過ぎてるし、俺が病院に行ったところで手越に1人で外まで歩いて来る体力はない


どうしても会えないなら…






「てごし、」


「じゃあ、手越が寝るまでずっと電話してよ…？」


『ぇ…？』


「手越が寝るまでは電話切らないし、俺も寝ない！笑」








．









『まっすー…』



「…ん？」



『…ふふ…ちゃんと起きてる』



「起きてるよ、笑」







俺の声を聞いて嬉しそうに笑う手越が、どれほど愛しかったか







もう、これ以上手越を苦しめないでください…







このまま時が止まればいい

そう思った




．

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