【文スト】文スト短編集ですが何か？其の伍【短編集】

空音ーソラトー様リク・夢主が安吾さんの姉になりましたが何か？ ページ26

「葵さん、今日の報告書を上げに来ました」

特務課上級エージェントの貴女に話しかけてきたのは、貴女の実の弟・坂口安吾です。

同じく上級エージェントの弟ですが、四年程前にはポートマフィアに潜入調査をしていました。

今は戻ってきて極めて真面目に――徹夜を繰り返す程度には――働いています。

目の下の隈が日に日に濃くなってゆく弟を見かね、今日こそ引きずってでも上司権限を濫用してでも家に帰って寝かせようと意気込んでいる貴女。

現在、夜十二時。

欠伸を噛み殺しつつ報告書を貴女の机の上に置いた弟の腕を掴み、執務室から引きずり出します。

「ち、ちょっと葵さん!?僕の仕事が未だ――」

実は、貴女は弟が仮眠を取っている隙を狙って弟のデスクから書類を奪い、捌いて既に上に提出済みなのです。

因みに弟のデスクには眠○打破が五本、深月ちゃんが淹れた珈琲が三杯分置いてありました。

不健康極まりありません。

「…そんなに強引だと男が逃げていきますよ」

自分より仕事一筋な弟の未来が不安な貴女です。

結論：葵さん呼び/敬語

葵の異能力：二合五勺に関する愛国的考察
ゼススとマリヤと云う二人の異能生命体を操る能力。
言葉巧みに話し、相手から有益な情報を引き出す。
二人が首から下げたロザリオの中心にはめ込まれたルビーを触られると消え、三時間使役できない。
ゼススとマリヤでも引き出せない強力な精神力の持ち主には、二人が融合した姿・プチジャン神父で挑む。
発動している間、葵が無意識に神を褒め称える詩や讃美歌、ヨハネ伝等をとうとうと朗読してしまうという欠点がある。
ゼススとマリヤ、及びプチジャン神父が手に入れた情報はリアルタイムで葵の脳内に送られてくる。

安吾「葵さん、明日も仕事が…」

葵「向こう一週間分終わらせておいたから大丈夫だよ。さ、ご飯食べてお風呂入って、早く寝てね」

安吾「其れは…仕事を休めると？」

葵「そゆこと。緊急の仕事が入ってもお姉ちゃんが行ってあげるから。ね？」

安吾「神ですか……!?」

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