【文スト】文スト短編集ですが何か？其の陸【短編集】

arieru:アリエル様リク・綾辻先生にＤキスされましたが何か？ ページ45

リクエスト大変お待たせして本当に申し訳御座いません…
そろそろ続編に行きますので、残り数話は単発リクエストを書かせていただきます！
≡≡≡≡≡
二人は恋仲設定です。
≡≡≡≡≡
映画館を目の前にし、貴女は少し浮き足立っていました。

掌には映画のチケットが握られ、変に力んでいるせいで綾辻先生に渡す前からシワシワになっています。

特一級危険異能者の綾辻先生を恋人にもつ上で本来ならば此の様にデェトを楽しんだりなど出来る筈もないのですが、深月ちゃんと同じく綾辻先生の監視をしているエージェントである貴女だからこその特権でもあります。

綾辻先生に依頼が入っていない日と貴女の監視担当日が重なる前夜、勇気を持って坂口先輩にデェトに行って良いかと聞いてみると、

「葵さんが気を抜かずに監視していられるなら是非行ってきなさい、貴方達は何時迄もうだうだしているから進展しないんです。上には僕が掛け合っておきますから」

と苦笑混じりに背中を押され、あんな先輩上司を持てた自分は幸福者だと心が熱くなりました。

「悪い、待たせたか」

そして漸く、綾辻先生の柔い声が貴女の耳に届きます。

≡≡≡≡≡

「如何しようもない推理映画(ミステリィ)だな」

其れには貴女も同感出来ました。

今は中盤、新たな被害者が生まれた場面ですが、始まり十五分で大きなヒントが提示されたにも関わらず主人公の探偵が其れを受け流してしまい事件が迷宮入りしかけると云う、苛立たしい程のろのろとしたストーリー構成の映画です。

貴女だって伊達に綾辻先生の助手的位置で監視や恋人を勤めていませんので、苛々している綾辻先生と共に既に犯人を見抜いており最早映画が頭に入りません。

道理で人が少ない訳だと一人で納得する貴女が綾辻先生を見上げると先生も同じく貴女を見下ろしており、

「！」

貴女が勇気を持って綾辻先生に口付けを送ると、少し驚いたらしい先生はにやっと笑い、其の侭後頭部を引き寄せられて滅茶苦茶深い御返しをされました。

「っく、ん、…ぷは、ぁ…くくっ、なら暇な時間を此れで潰そう、葵君」

結論:映画って何だっけ

綾辻「ふむ、次に俺達だけで出掛けられるのは二ヶ月後の様だな」

葵「あー…遠いですねぇ…」

綾辻「別に、窓に仕掛けを組み込めば監視の眼を欺けるだろう。気にすることもない」

葵「其れは私が困るんですけど!?」

イチゴみるくは美味しいよ様リク・コーリャとシリアスお家デートしてみましたが何か？→←続

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す