【文スト】文スト短編集ですが何か？其の陸【短編集】

シャケ鯖様リク・スタインベックくんがヤンデレになりましたが何か？ ページ31

「ねえ」

にじりよってくる恐怖と焦燥と、其れから彼、スタインベックくんの全くもって眼に光がない微笑み。

―――――逃げ損ねたッ、

貴女の杞憂は確信へと変わります。

少し前から可笑しくなってしまったスタインベックくん。

悲鳴等アブナイ物を嗜好し、貴女を意図的に傷付けたり怪我をさせたりして、もう限界だった貴女。

半分監 禁されていたスタインベックくんの部屋から隙を見て脱け出し、フィッツジェラルドさんに事前に許可を得て白鯨に備え付けてある小型ヘリコプターで一旦の逃走を図ったのですが、如何やら何処かから情報が漏洩していたらしく。

「僕、心配したんだよ」

壁際に追い詰められて逃げられない貴女の首に、スタインベックくんが異能力である葡萄の樹でじわじわと―――死なない程度に呼吸が出来るよう微調整した圧力を掛けてくるので、貴女は意識を失うに失いきれない苦しみに悶えています。

そんなわけで貴女は現在涙目からの呻き声を要所上げており、スタインベックくんからすれば特殊性癖による欲求が満たされる素晴らしい案件な訳です。

ぎちぎちと樹が軋む音を聞き乍ら、貴女は足りない酸素を補おうと呼吸を荒くします。

「ほら、ちゃぁんと謝って、葵。急に部屋から居なくなったら吃驚するでしょ？」

貴女の頬をつつき、そう急かすスタインベックくん。

えづき乍ら貴女が何故此処迄自分に執着するのか訊ねると、スタインベックくんは少々驚いたようにサファイアの様な瞳を見開き、其れから心底爽やかな笑顔を浮かべました。

「当たり前だろう？葵の事が大好きだからだよ」

そして、其の笑顔の侭述べたのは、

結論:「でも、云うこと聞かない子は嫌いだ」

葵「ひぅ、うぐ……ッ」

ジョン「死にたくなかったら謝りなよ」

葵「ご、……め、なさ…、っ！」

ジョン「二度と僕の云い付けに逆らわないって誓える？」

葵「ち、誓う、…っ！」

ジョン「ふふ、良い子だね」





―――――――――――でも、次は無いよ

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