検索窓
今日:13 hit、昨日:13 hit、合計:426,608 hit

第六十三訓  失いたくない ページ22

銀『…地味な奴は?』



貴『知らないよ、監察のくせに気付なかったよ。



  まったく、ダメだなァ〜。』



山崎はきっと手紙がきて動揺してしまったのか、どうやら瘢は分からなかったらしい。



貴『この方法はな、前田家で使われていたんだ。』



黙っていた銀時にAは説明し始めた。



武家は裏切りも少なくはなく、その人間に情報が漏れないように、



偽の情報を書き、方法を知らない者が読めない仕組みになっていた。



Aは最初は知らなかったが、兄に教えてもらっていた。



銀『一人で行くのか?』



貴『あぁ。手紙にも書いてあったが本当の文は、



  「お前が来なけば、お前の居場所はまた無くなることになるだろう。」



  だってさ。』



喋らなくなったA。



Aの言葉に黙っていた銀時だったが、暫くして口を開いた。



銀『お前は、斬れるのか?



  勘当された身だとは言え、昔は必死にケガしてまで、



  護ろうとしてたじゃねェか。



  自分の親父を。』



その言葉を聞いてAは俯いた。



銀時はそのまま言葉を繋げる。



銀『俺も戦場に立ってた身だが…


 
  迷いのあった奴は死 んでいった。



  お前には… 貴『私は、』』



俯いていたAは銀時の言葉を遮り、銀時の顔を見ながら言った。



貴『私は今まで大事なものを、護ってこれなかった。



  大好きな兄も、初めての女友達も。



  仲間に手を出そうとするなら、私は斬る。



  それが、父親だった男でも。』



かつて護れなかった、兄・竜輝と友達のミツバ。



Aの言葉には、迷いはなさそうだった。その様子を見て銀時は溜息をついた。



貴『それに、さっき言ったでしょ?



  お前の居場所はまた無くなることになるだろう、ってさ。



  真選組を実際に仕切っているのはトシだ。最初はトシが呼ばれていた。



  トシが死 んだら、真選組は終わる。つまり、私の居場所は無くなる。』



Aにとって、選択枝は一つしかなかった。



Aが行かなかったら、大勢の人数で行ったら、一番最初に狙われるのは。



局長の近藤と、副長の土方だ。



貴『私は、もう何も失いたくない。』



Aの声が少し、震えていた気がする。

第六十四訓  依頼金→←第六十二訓  手紙に隠された真相



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (177 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
339人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真選組   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リアルマヨラー - この話とっても好きです!他の作品でも頑張ってください! (2020年2月26日 17時) (レス) id: ab2e31f108 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - 摩美さん» マジですか!?めっちゃ嬉しいです! (2018年4月7日 8時) (レス) id: 42c37de243 (このIDを非表示/違反報告)
摩美 - 感動して泣いてしまったよ... (2018年4月7日 1時) (レス) id: 24a291c902 (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - 松本芽吹香さん» 場所によっては見れない場所がありますもんね。youtubeは画質良いのでじっくり見ちゃってください! (2017年8月8日 16時) (レス) id: 3f13b37595 (このIDを非表示/違反報告)
松本芽吹香 - ヨッシーさん、私、          テレビで銀魂が見れないんですー!(泣)でも、YouTubeでは見ます!(61訓についてのコメです!) (2017年8月8日 16時) (レス) id: df69819376 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/  
作成日時:2015年3月29日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。