【銀魂】副長補佐は、サボり魔で…【土方十四郎】

第三十六訓　　懐かしい風景　　沖田side ページ39

今目の前で、俺と一緒に地面に絵を描いている女の人。



前田A。



俺が姉上たちと過ごした武州。



近藤さんと土方が拾ってきた。



最初は見た目も怖かったし、なにより冷たかった。



けど、少しずつ仲良くなって、俺もA姐なんて呼ぶようになった。



俺は絵を描いてA姐を呼ぼうとし、顔を上げたとき。



A姐は違う方向を見ていた。



その先には、






トンボが指に止まって楽しそうにしている姉上と、






その隣で少し笑っている土方。





俺から見ればムカつく光景なのだが、



A姐は嬉しそうに微笑んで二人を見つめていた。







、








、







『しらねェよ、しったこっちゃねェんだよ。お前のことなんざ。』









　
“あれ”を聞いたとき、野郎が居なくなって、



姉上も部屋に戻り、残ったのは自分一人。そう思ってた。




けど違った。




俺とは反対側にある木の影。




悔しさ、苦しみ。そんな表情をしていた、A姐。




なぁ、A姐。



なんでそこまでして野郎を護ろうとする？



俺はもうアンタが分かんねェよ。









沖『 ！ ……夢か。』




最近よく見る夢。




その謎が知りたくて、この前A姐にしつこく聞いちまった。




今は朝五時。





今ならきっと居るだろう。




そう思った俺は薄着の着物を着て、部屋を出た。

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