【完結】乙女警察／そうま (ページ32)

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「……『Knight Humanoid S』……」

　検索結果に出てきたそれ。
　俺と瓜二つの顔写真の横には英語表記でそう記されていた。

　人間に外観を似せたアンドロイドは人間とコミュニケーションを取るために作られたモノ。

　彼女のアルバムから出てきた写真に写っていた俺は今と何も変わらない姿で、幼い彼女がカメラに向かってピースサインをしているもの。

　照らし合わせてみると答えなんてひとつしか無かった。

「俺……、そっか。人間じゃなかった」

　人間のために作られた俺がどうして今までこんな大事なことを忘れてしまっていたのか。
　その答えも記されている。

　『Knight Humanoid』の中でも『S』タイプは最も人間に近い思考を組み込まれた俺のモデルは時折自分がアンドロイドだということを忘れて生活してしまうらしい。

　それが原因で今まで気づけなかった。

「……『当社のアンドロイドには時折バグが起きる』
　『アイの感情を知らないアンドロイドが自身で恋をした時、エラーサインが出る』」

「エラー……、サイン」

　彼女のことを考えるとムネが苦しくなってしまうのはきっとエラーサインなのだろう。

「……『直し方はただひとつ』────、」