ちびっこないとっ！／ KnightA (ページ10)

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【第一次ブロック戦争】ページ10

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　午後の自由時間。
　お昼ご飯を食べたあとの三時までは教室もグラウンドも子どもたちの声で溢れている。

　まだご飯をゆっくり食べているばぁうくんと❤️🌸ちゃんを見ていると教室の方から泣き叫ぶ声が聞こえてきた。

「せんせぇ、しゆんが泣いてるー」
「えっ！」

　耳のいいばぁうくんがそれを教えてくれて顔を上げれば、確かに視界の先でしゆんくんが💛🌸ちゃんの前で泣いているのが目に入ってくる。

「俺❤️🌸に食べさせてるからいいよ」
「あ、ありがとう。ゆっくりでいいからね？」
「……」

　コクンと頷いてくれた❤️🌸ちゃんを見て、急いで教室へと戻ると大声で泣いているしゆんくんがそこには居た。

「あ"ーーーーーーーっ！！！」
「ちょっ、ちょっとどうしたの……！」
「💛🌸のせいじゃ絶対ないもん」

　ぷいっと顔を背けて、手に持っていた黄色いブロックを背中に隠す💛🌸ちゃん。

　絶対なんかしたな……。

　ここまでわかりやすい嘘は逆にありがたいが、きっと💛🌸ちゃんに問いかけても答えてはくれないだろう。

　私はしゆんくんの頭を撫でながら目を合わせる。
　なるべく優しく、落ち着いて言葉を吐いた。

「しゆんくん、どうしたの？なんで泣いてるの？お話できる？」
「いっぺんに言わないでッッ」
「あぁ、ごめんね」

　しまった。いっぺんに言うと怒っちゃうのね。
　分かった。
　学んだよ、ごめんね。

　ふぅ、ともう一度呼吸を整えてからしゆんくんに問いかける。

「しゆんくんどうしたの？」
「💛🌸がブロックで叩いた」
「ちょっ！なんで！？」
「💛🌸がブロック使いたかったの！」

　ばっと勢いよく💛🌸ちゃんの方を向けば怒られると察したのか、少し目が泳いだ後に私より大きな声で言い返してきた。

　さっきブロックを隠したのはそういうことだったんだ……。

　どうしても使いたかった。
　だから叩いた。

　とてもシンプルな理由だが、これは危険だ。
　幸いしゆんくんに傷は残っていないけれど、怪我の原因にもなる。それにお互いが心を傷つけあう可能性だってあるのだ。