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 丸いテーブルとソファーが配置された席に案内をされた。なんだかいつも来ない場所だから落ち着かない。

 オレンジ色の髪の子が跪いて「では説明をいたしますね」とタブレットを見せて初回のコースの説明を簡単にしてくれた。


「初回のコースは二つご用意しております。一つ目は二時間の通常コースでして、本日来ているキャストと一人一〇分間お話ができるコースです。ドリンクは飲み放題なので僕にお申し付けください」
「は、はい……」
「キャストメニューでお好きなキャスト三人まで選べるので、気に入った方が居ましたら教えてくださいね」


 タブレットに表示されているキャストの男性達はそりゃあ日常で出会うことないほどのイケメンではあるが立て続けに三人も顔のいい人達をみたらあまりパッとしない。

 一人一〇分で二時間ってことは十二人のキャストと話すってことか……。飲み放題含めて三千円。……イマイチ高いのか安いのかわかんないな……。


「あの、もう一つのコースは?」
「もう一つは初回限定の『Aコース』ですね。当店人気のナンバー6までのホストとお話することが出来ますよ。ただ、うちで人気の六人なので通常コースよりも時間が短くてワンドリンク制となっております」


 下にスクロールすればナンバー付けされた六人の顔写真と名前が載っている。

 外で声をかけてくれた優しいカレがいた。この子がナンバー6? 他の人、凄すぎるでしょ……。あ、さっき見た黒髪の人もいる……。やっぱりナンバーが付くほど人気の人なんだ。

 一人五分で合計三〇分の初回限定『Aコース』。値段は通常コースと同じで三千円。これにプラスでワンドリンクを追加となると高いが、人気ホストと話せるならこのくらい普通なのだろうか。


「通常コースでさっきのカレを指名することはできるんですか?」
「うーんと……、ごめんなさい。人気ホストは忙しくてランダムでしか入れられないんです。だから確実にお話したいなら『Aコース』がオススメです」


 そう、だよね。きっと引っ張りだこで一〇分もカレと話すのは難しいんだろう。それに二時間もここに居るより早く実家に帰って事情を説明しないといけないし。

 最初で最後の思い出作りとして『Aコース』を注文しよう。どうせ、払うお金はそう変わらないんだから。

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作者名:Stellar | 作成日時:2022年10月23日 12時

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