【文スト】声なき君が残したモノ【裏切り】

14　こいつは ページ15

国木田side





『［そうですか。なら其が答えなのでは？］』









さも当たり前の様に、観月はそう続けた。









国木田「っ…認め、るのか」









『［どうなんでしょう］』









国「…」









意味が分からな過ぎる。









こいつは、自分の答えを一切伝えてきていない。









例え嘘だとしても、普通は弁解くらいしてくるだろう。









今までの、誰もがそうだった。









しかし、目の前のこいつは違う。









『…』








国「……何か、言い訳でも云ってみたらどうだ」









『？［何故ですか］』








国「そ、それは、」









駄目だ








話せば話すほど意味が分からなくなる。









逆に此方が云い淀んでしまう。









何故だ









何故なんだ









何故こんなにもこいつは堂々としている？









何故自ら自分が不利になる方へ導く？









理解できない









何なんだ









この試されているような感覚









何処かで感じたことがあるような、









俺の苦手な趣向(タイプ)









こんなときは、如何対処すればいいんだ？









分からない









どうすれば、どうすればいい？









俺は、俺は…！！！









遥「＿＿＿さん、＿＿歩さん、！





独歩さん…！！」









国「っ、なんだ、！？」









俯いていた顔を無理やりあげる。









その先にあったのは、姫草の心配そうな顔。









遥「なんか、悩んでるみたいだったので…大丈夫かなぁ、って…」









でも平気そうでよかったです、と続ける姫草。









そこで、はっとなった。









俺はさっき姫草を信じると云ったじゃないか









なら、それで良いじゃないか？









そうだ、









簡単なことだったのだ。









己の信じる道を行けばいい。









ならば、答えは一つ。









国「…観月、よく覚えておけ。









姫草を傷つけたお前を、俺は絶対に許さん！！」









…これで、善かったんだよな？









姫草の笑顔が歪んで見えるのは、








俺の見間違いだよな？









観月のペンを持つ手が少し震えていたのは、









俺の気のせい、だよな…？

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